須田正己【第3回】魅力的な作品を生み出すため「魂」を込める – 魂を込めて描くからキャラに魅力が宿る – [特集]惹きつける人

須田 正己

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2019年09月23日

魂を込めて描くからキャラに魅力が宿る - [特集]惹きつける人

「キャラクターや作品について何度も考え、魂を込める。それが、人を惹きつけるための土台」

数多くのアニメ作品で作画監督・原画・動画・キャラクターデザインなどを手がけてきた須田正己氏。彼は、魅力的なキャラクターを描いてヒット作を生み出す「伝説のアニメーター」だ。たくさんの人を惹きつけ、世界中から愛されるキャラクターを生み出す秘けつとは何か。そして、それらに共通するのはどんな要素なのか、語っていただいた。

白谷輝英 ≫ 文 波多野 匠 ≫ 写真

(※本記事は、2018年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)

須田正己(すだ・まさみ)

アニメーター/キャラクターデザイナー
1943年、埼玉県生まれ。Aプロダクションで研修を受け、タマ・プロダクションを経てフリーとなる。その後、タツノコプロダクションの吉田竜夫社長に認められて数々の作品に参加。さらに東映アニメに移って、「北斗の拳」「スラムダンク」そして最近の「妖怪ウォッチ」などヒット作品の作画監督・原画・動画・キャラクターデザインなどを務める。1991年には、日本工学院八王子専門学校のアニメーション課設立に参加。講師や講演を行う機会も多い。受賞歴は、イタリア・フィレンツェで開催される映像アーティストに贈られる「NEMOLANDLEGEND AWARD賞」や、今年の日本動画協会功労賞など。

魅力的な作品を生み出すため「魂」を込める

須田氏はプロフェッショナル。キャラクターを魅力的に描くための技術は、豊富に持ち合わせている。だが、テクニックより重要なものが1つあるという。それは「魂」だ。

常にワクワクしながらものを作ることが前に進む原動力です。

「人の心を動かす絵には、魂がこもっているものです。私は極限まで集中すると、髪の毛の一本一本がざわざわと動く感じがするのですが、そういう状況で描いた絵を後で見返すと、やはり違いますね」

須田氏は時折、キャラクターにのめり込む。シナリオや絵コンテを見ながら、実際に体を動かしたりセリフをしゃべったりして、役柄に没入してしまうのだ。

「長い間考え抜き、イメージを豊かにしなければ、魂のこもったキャラクターなど作れません。だから、作品づくりをしている間は、そのキャラクターになりきるのです。そう言えば『北斗の拳』に携わっていた当時、一緒にお酒を飲んでいた人から『須田さんの手は、ケンシロウの手ですね!』と指摘されたことがありますよ。ケンシロウになりきる時間が長すぎたせいか、いつの間にか手の形まで似てきてしまったのです」

近年はツールが進化し、絵を描きやすい環境が整えられている。しかし、それが描き手の想像力を鈍らせるのではないかと、須田氏は危惧する。

「例えば炎のアニメーションを作ろうと思ったら、昔はイマジネーションを膨らませて描くより他にありませんでした。ところが今は、動画サイトなどを見ればすぐに参考動画が見つかります。便利ですよね。でもその分、想像する力は落ちていくわけです。

かの葛飾北斎が『冨嶽三十六景』で描いた波は、今も私たちの心を揺さぶります。それは、北斎が波を頭の中で何度も考え抜いたからではないでしょうか。繰り返しイメージした部分に個性が宿るから、絵は人を感動させるのです。

キャラクターや作品について何度も考え、魂を込める。それが、人を惹きつけるための土台になっているのです」

全てを楽しみ前のめりに生きる姿勢を持て

須田氏は現在、74歳。しかし、2014年にキャラクターデザインを手がけた『妖怪ウォッチ』が一大ブームを巻き起こすなど、その創作力は全く衰えていない。

「写実的な絵を描く機会が多い私にとって、昭和のテイストで丸くてかわいいキャラクターという要望の『妖怪ウォッチ』は、なかなか難しい依頼でした。デザインが終わって主人公のジバニャンを見直したとき、線が少なすぎると感じて『大丈夫かな?』と不安になったものです(笑)」

精力的に作品を生み続ける須田氏。その根底にあるのは「楽しむ力」なのではないか。

「仕事が辛いと思ったことは一度もないのです。もちろん、体調が悪くて大変だったことなどはありますが、ものづくりは常に楽しかった。それで、こんなに長い間、続けてこられたのかもしれません。定年退職した友人などが、『最近、楽しいことがなくなった』とこぼすのを耳にしますが、私にはよく分かりません」

須田氏には、旺盛な好奇心とサービス精神がある。面白い絵柄はないか?それをもっと効果的に見せるにはどうすればいいか?アニメーションから離れた自分がこれからどんな絵を描けば、魅力的なキャラクターや作品を生み出せるだろうか?そんな強い思いが、若々しいエネルギーの源になっているのである。

須田氏のモットーは、過去に頓着せず、常に前を見て生きること。

「人生常に前のめり。それだけは、今後も大切にしていきたいですね。そして、できるだけ多くの人を驚かせて楽しませることが、私のライフワークです」

須田正己 – 魂を込めて描くからキャラに魅力が宿る –
[特集]惹きつける人(了)

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