働き方・生き方

岡田大士郎 人生100年時代をよりよく生きていくための幸福働とは642.326

岡田大士郎 – 人生100年時代の〝幸福働〟

岡田 大士郎

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • はてなブックマーク
  • Linkedin

【コラムジャンル】

, , , , ,

2021年12月10日

岡田大士郎 - 人生100年時代をよりよく生きていくための〝幸福働〟とは

金融業界からエンタメ業界へ。異例のキャリアを歩み、スクウェア・エニックスグループのワークプレイス変革や組織風土改革を実行し、ウェルビーイングな組織をプロデュースした陰の立役者、岡田大士郎氏。唯一無二のキャリアの末にたどりついた 〝わくわく〟や生きがいを大切にする「幸福働」とは。人生100年時代の生き方・働き方・組織づくりのヒントがここに。

(※本記事は、2022年1月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)

猪俣奈央子 ≫ 文  櫻井健司 ≫ 写真

岡田大士郎(おかだ・だいしろう)

岡田大士郎

株式会社HLD Lab 代表取締役社長CEO
ハピネスプロデューサー

1979年立教大学卒 日本興業銀行(現・みずほ銀行)において、投資銀行業務や海外業務(ロンドンに勤務)ならびに国際税務業務を20年にわたり経験後、ドイツ銀行グループでDirector, Head of Taxesとして国際税務統括の業務に従事。2005年にスクウェア・エニックスに入社し、2007年まで米国Square Enix, Incの社長(COO)として米国事業に携わった後、2007年に本社に帰任。「組織風土並びに働き方改革」をミッションとして総務部長に就任。その後、ミッションであるクリエイティブワークプレイスの構築を進め、2012年に本社スタジオの全面移転や2015年には大阪事業所の移転プロジェクトに関与。クリエイテ ィブワークプレースダイナミクスの実践と、コンテンツ制作業務における価値創造支援を行う「場」作りに取り組んでいる。2018年3月同社定年退職。2018年に一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC)副代表理事就任。同年、一般社団法人日本ライフシフト協会理事就任。

「金融×エンタメ」異なる業種の越境で唯一無二のキャリアに

異なる世界の扉を次々と開け、新しい挑戦を繰り返してきた。「はからずも、ダイバーシティキャリアになった」と岡田大士郎氏は自らの職歴を振り返る。
1979年に日本興業銀行(現みずほ)に入行し20年勤めたあと、ドイツ証券にて国際税務統括業務に従事。金融畑を歩いてきた岡田氏は50歳を目前に、ビジネスも業界慣習もまったく異なるデジタルエンタテイメント業界へ。米国Square Enix ,Incの社長(COO)として米国事業経営に携わったあと、株式会社スクウェア・エニックス日本本社に総務部長として戻り、ワークプレイス変革や組織風土改革に取り組んだ。

「金融とエンタメ。ある種、対極にあるような業界を越境し、キャリアを築いてきたことは、私にたくさんの〝わくわく〞と価値をもたらしてくれました。戦略的にそう動いたというよりも、自分の知らない世界をのぞいてみたい、これまでにない経験をしてみたいという心の声に素直に耳を傾けた結果です。当然、さまざまな困難にぶつかるわけですが、工夫して乗りこえたり、仲間を得たり、これまでにない感情を味わったりする日々には〝生きている実感〞がありました。まさにドラゴンクエストの世界。勇者の冒険をしている感覚でした(笑)」

岡田大士郎

もっと〝わくわく〞を感じながら働き、暮らせる社会をつくるために

現場を知ることから始めたスクウェア・エニックスのワークプレイス&風土改革

スクウェア・エニックス本社で岡田氏が担ったミッションは組織風土改革。まずはオフィスを歩きまわり、さまざまな人と話をし、現場を知ることに時間を費やした。そこから見えてきたのは、クリエイターたちが背負うプレッシャーだ。常に斬新なアイデアが求められ、ヒット作を生み出しても次はそれを超えるさらなるヒットをと、自らを追いこむ状況には、ゆとりや遊びは感じられなかった。

笑い声が聞こえるオフィスで、ときに仲間と冗談を交わしながら、真剣に仕事を楽しむ。一人ひとりがリラックスして、ゲームづくりに没頭し、働きがいや幸せを感じられる。そんな〝場〞をつくるためにはどうすればいいのか。米国で目にした、まるで趣味を楽しむように働くトップクリエイターたちの姿も思い出された。

そこで岡田氏は、脳科学や心理学、行動学など人間を知るための勉強を重ねる。その知見と現場で見聞きした課題を掛けあわせ、本社移転のタイミングで、〝幸せ創造〞や〝わくわくづくり〞をテーマにしたワークプレイス改革を実行したのだ。

「金融マンでもクリエイターでも、男性でも女性でも、若者でもシニアでも、共通しているのは〝人間である〞ということ。誰もがおいしいごはんを食べたらにこやかになるし、美しい景色を見ると心が洗われる。わくわくして没頭している時間は短く感じ、集中したあとにふっと体と心をゆるめると、新しいひらめきが生まれたりする。人が持つ性質に逆らわないほうがいいんです。ですから、新オフィスでは五感を刺激したり、遊び心を取り入れたり、コラボレーションが生まれる仕掛けをつくったり。とにかくクリエイターたちが、わくわくできる空間をどうプロデュースするかを考え、徹底した場づくりを行いました」

10年以上前から試み、体現されていたウェルビーイング経営

スクウェア・エニックスは、2012年の本社移転のあと、多くのヒット作品を送り出し業績も順調に推移していった。社員が「いきいき、わくわく、幸せになれる環境をつくる」というと社員のための福利厚生の話だと捉える方もいるだろう。しかし、岡田氏が手がけたワークプレイス改革はそうではない。社員一人ひとりがもともと持っている能力を最大限に引き出したり、社内のコミュニケーションを活性化しイノベーションを生み出したりする経営施策なのだ。岡田氏の取り組みは、近年注目を集める「ウェルビーイング経営」の先駆けだったといえるだろう。

「私は金融業界での経験もあり、また、経営の経験を通して「数値経営」というものが分かっているつもりです。しかし、働く社員の意欲だったり、潜在能力だったり、社員同士のコラボレーションというものは、財務諸表にはあらわれませんよね。数字としては見えないけれども、経営との密接な関わりがある。その大事さに、みなさん気づきはじめているはずです。

たとえば会社の利益を出すために、あるいは生産性を高めるために、社員にムチを打ち、ハラスメントの嵐の中で頑張らせる時代もありました。依然として、そうした体質の組織もあるかもしれませんが、そうすると人は傷みます。社員が傷つけられる環境のその先に発展やイノベーションはありません。人間というものを知って、経営やマネジメントのあり方をシフトしていかなければならないのです。だからこそ私はいまハピネスプロデューサーという肩書で、人の〝わくわく〞や〝幸せ〞を創造する『幸福価値創造経営』のお手伝いをしているんです」

岡田大士郎

「何のために働くのか?」自分自身への哲学的な問いが重要な時代

〝幸福働〞は人生100年時代の生き方・働き方の指針に

岡田氏が研修や講演で取り上げるテーマは、これからの〝働き方〞や〝生き方〞組織づくりのヒントとなるものばかりだ。

たとえば「社員間のコミュニケーションが誘発され、一人ひとりがエンゲージメント高く働ける場づくり」や「ウェルビーイング経営の実践」「働き方改革と働く意味を捉えなおし、社員が幸せに働く〝幸福働〞の進め方」「社員の自律的なキャリア開発やパラレルキャリア人生デザインの描き方」など。

特徴的なのは、その手法が「ティーチング(教える)」ではないこと。岡田氏は教壇に立つ講師ではなく、ファシリテート役として参加者と対話し、〝自ら感じ、考え、気づいてもらうこと〞を大切にしているという。猛烈に働いてきた中間管理職を対象に、福祉や介護のような異業種の現場を体験する越境ワークを行ったこともある。さまざまな人との触れ合いや、ふだんの仕事とは異なる体験から生まれてくる感情や感覚、気づきがあるからだ。

「私たちがこのコロナ禍で学んだことの一つに、〝命って、仕事より大切だよね〞ということがあると思います。あたりまえなのですが、私たちは、しばしばその真実を忘れてしまいます。仕事は大切です。でも、『何のために働いていますか?』『あなたにとって仕事とは何ですか?』『いま、幸せですか?』

こんなシンプルで哲学的な問いを自らに向けていくことで、自身の心の声に気づき、考え方が変わり、それが自分自身の血肉になって、幸せなキャリアにつながっていくのです。人事の方はよく〝社員の自律・自立性をどう育むか〞に苦心されていると思います。しかし、本当の意味での自律・自立性は、決められた目標があり、上司から言われたとおりに仕事をし、その結果を一方的に評価される環境では育まれません。

人事にできることは、『何のために働くのか』、『私にとって仕事とは何なのか』といった自分自身の軸に、社員一人ひとりが気づいていく〝きっかけ〞をつくること。そして気質や個性、強みにあわせて自らの力を最大限に発揮できる『場づくり』をすることだと思います」

教えるのではなく、気づかせる。監視するのではなく、信頼して、任せる。これらの取り組みには組織としての『覚悟』と社員への『信頼』が必要だろう。しかし、その先にこそ、人が自律・自立し〝わくわく〞しながら仕事に取り組み、新しい発想やイノベーションが生まれる、社員にとっても企業にとっても幸せな働き方がある。

講師への講演依頼はノビテクビジネスタレントで!

RELATED ARTICLE -関連記事-

会員登録 (無料)
ノビテクマガジン 無料購読
いただけます

会員登録 (無料) で、
ノビテクマガジンを
無料購読 いただけます

会員登録はこちら

会員特典

・雑誌(定価780円)の 無料購読。

・主催講演会に 特別価格で参加。

その他、著名人講演会の情報も!

ノビテクマガジン倶楽部の
ご案内
  • MEETING SPACE AP 株式会社TCフォーラム

    MEETING SPACE AP 株式会社TCフォーラム
  • 講演依頼/講師紹介 nobetech BUISINESS TALENT ノビテクビジネスタレント

    講演依頼/講師紹介 nobetech BUISINESS TALENT ノビテクビジネスタレント
  • nobetech magazine

    人と組織の成長を応援するノビテクマガジン
  • 株式会社ノビテク

    株式会社ノビテク
  • 特集一覧 – 講演講師コラム 

    特集一覧 - 講演講師コラム 

講演依頼、講演会のことなら

ノビテクマガジン
ビジネスタレント

にお任せください!

[講演依頼、講演会のことなら、ノビテクマガジンビジネスタレントにお任せください!]