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速読勉強術のプロ 宇都出雅巳のまとめてグルグル10冊書評

宇都出雅巳【第1回】なぜこの企画が生まれたのか?私は何者か? – 速読勉強術のプロ まとめてグルグル10冊書評

宇都出 雅巳

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速読勉強術のプロ まとめてグルグル10冊書評

なぜこの企画が生まれたのか? 私は何者か?

きっかけは「“速読のプロ”ならどう読むの?」という質問

「“速読のプロ”である宇都出さんなら、この本をどう読みますか?」

今年(2014年)の春ごろ、ノビテクマガジンの八波さんと講演の打ち合わせをしているとき、八波さんが今読んでいるという本を取り出して質問されたのが、この「10冊書評」なる企画の始まりでした。

そのときは、私が提唱する速読法(高速大量回転法といいます)を簡単に解説しながら、その本を読む実演を5分ほどしつつ、その本の内容や書き方などについてあれこれとりとめもなく語りました。

それを聞いた(+見た)八波さんが、「面白い! 何か宇都出さんなりの独特の書評ができるのでは?」ということになって、どんな形にしようかという話し合いが始まったのです。

“速読のプロ”ならぬ“日本一の速読オタク”

ところで、私は自分のことを“速読のプロ”とは思っていません。私は速読や速読を教えることを長年職業として行ってきたわけではないからです。また、そもそも速読は単なる技術の訓練だけではできるようにならないからです。

ただ、“速読のプロ”ではないにしても、だれよりも数多くの速読法を学び、実践してきたという点では、日本一の“速読オタク”であることには密かに自信を持っています。

私と速読との出会いは、今から30年近く前にさかのぼります。東京神田・神保町のある書店で「1冊3分で本が読める!」というコピーの速読本を手に取ったのが、初めての出会いでした。

当時、私は大学2年生。授業でもたくさんの難しい本を読むことに迫られ、読みたい本もたくさんあったので、「速読ができるようになれば!」とその本に書かれていた速読教室に、貯金を文字通りはたいて通い始めたのです。

それから15年ほど、さまざまな速読教室に通い、速読教材を取り寄せて試しました。というのも、なかなか思うような結果、つまり「1冊3分で本が読める!」ところまではいかなくても、自分のなかで「速読ができるようになった」という実感が得られなかったからです。

実際に教室や通信講座で学び、実践した速読法だけでも10を軽く超え、投資(浪費?)したお金は200万円以上にのぼります。おそらく、ここまで速読法と付き合い、だまされ?続けてきた人はいないでしょう(いらっしゃったら、ぜひご連絡ください!)。

速読は本当に使えるのか? 

そんな「速読ができるようになった」という実感が得られなかった私も、さすがに35歳になるころには、「ほかの人よりは速く本を読める」ことは感じていました。

そこで自分の速読が本物かどうか確かめるために、2002年の秋に、あるプロジェクトを思いつきました。それは、試験勉強の実況中継プロジェクトです。

CFPというフィナンシャルプランナーの上級資格があるのですが、この資格試験に1か月で6課目一発合格をめざし、その勉強の様子をメールマガジンで逐次お知らせすることにしたのです。

なぜ、資格試験か? ですが、試験であれば合格・不合格で、速読が本当に使えるものかどうかがはっきりとわかりやすいと思ったからです。

速読といって単にページを速くめくれても意味がないですよね。そこに「理解」が伴うからこその読書であり、速読です。ただ、この「理解」はなかなか明確にしづらいものです。どの程度「理解」できているか、主観的なものが入ってしまうからです。

そこで、白黒はっきりする試験勉強で使えるかどうかで実践検証を試みたというわけです。

え? 「速読訓練しなくても速読できる!」

この「1か月でCFP試験に一発合格する!」という試みは運よく成功したのですが、このプロジェクトで思いがけないことに気づいてしまいました。

それは「速読訓練しなくても速読できる」ということ。もう少し言うと、「速読できようができまいが、とにかく速く読んでくり返していけば速読になっていく」ということです。

試験勉強ではこれは「奇跡」とも呼べる効果を発揮するので、とにかく速く読んでたくさんくり返していく方法を「高速大量回転法」と名付けて、メルマガや小冊子を通して伝え始めたのです。

これは2007年には『1日1分からはじめる 速読勉強術』(すばる舎、2011年にPHP研究所より文庫化)として出版され、5万部ものベストセラーになりました。

ただ、これは数少ないテキストや問題集に何か月、何年も取り組む「試験勉強」をはじめ、いわゆる「勉強」において成り立つものだと考えていました。

やはり、「1冊3分で本が読める!」という速読法なるものは存在すると思い、まだ自分自身は「速読できていない」と思って、速読教室に通い続け、眼の訓練などの速読訓練を続けていました。

20年以上の速読遍歴の末にたどりついた結論は……

そんなとき、2010年の夏、ある出版社の編集者から、「速読法の本を書いてもらえませんか?」という依頼を受けました。

私としては速読ができるようになった実感はまだなく、断る気だったのですが、その編集者は私自身は「勉強法」と位置付けている高速大量回転法を「速読法」だと思って話をしているのでした。

「あの……高速大量回転法はあくまで速読体験から生まれた勉強法で、速読法ではないんですが……」と何ども訂正しているうちに、「もしかして、この高速大量回転法こそが速読法そのものではないか?」と気づいたのです。

そして改めて数多くの速読法の本を読み直し、考え、整理するなかで、ある意味、身も蓋もない事実が浮かび上がってきました。

それは、速読力=速読技術 × ストック(読み手の知識・経験・記憶)ということ。速読には技術だけでなく、読み手が持つ「ストック」が重要であるということです。

「知っている本は速く読める」「読書家の読むスピードは速い」。こんなことから考えてみれば、だれでも気づく当たり前のことです。しかし、速読技術とそれによって「右脳が開く」「速読脳が開発される」という幻想にはまりこんでいた私には、これに何十年も気づけなかったのです。

そして、この「ストック」を効果的に蓄え、活用するためには「くり返し」が必要不可欠であり、それを可能にするのが「高速大量回転法」であることに、改めて気づきました。

そして生まれたのが、2012年9月に出版された『どんな本でも大量に読める「速読」の本』(大和書房、2014年4月に文庫化)です。

20年以上にわたって、せっせと速読法を学び、速読訓練をしてきた自分にとっては、正直、これまでの努力・経験を半分否定してしまうことでしたが、これでようやく速読(技術・能力開発)遍歴の旅を終えることができたのでした。

10冊をどう読んでいくか?

かなり前置きが長くなりましたが、自己紹介と私が本を読む際に使っている「高速大量回転法」を少しは知ってもらったほうがいいと思い、書かせてもらいました。

お待たせしましたが、10冊書評に入っていきましょう。

今回の10冊はノビテクの八波さんに選んで、送ってもらいました。以下がその本のタイトルです。

町工場の娘
『俺のイタリアン』を生んだ男 「異能の起業家」坂本孝の経営哲学
経営者格差
世界の働き方を変えよう
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則
仕事が楽しくなる!25のルール
パンツを脱ぐ勇気
ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ
したたかな生命

第1回10冊の書影

では、この10冊をどう読んでいくか?

実はもうあなたもこの10冊を読み始めているのですが、わかりますか?

そうです。本のタイトルは読んでいますよね。

「え? でもそれって読んでいるうちに入らないでしょう?」

そう思う人が多いかもしれませんが、この本のタイトルを見た、読んだ時点で読書が始まっていると思っているかどうかが、本を速く読めるかどうか、あなたが速読できるかどうかのまずは最初の分岐点です。

さて、もう一度、先ほど挙げた10冊の本のタイトルを読んでみてください。あなたは何を思ったり、感じたりしたのでしょう?そこから読書、速読が始まります。

(次回へ続く)

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速読勉強術、仕事のミスをなくすビジネススキルに関する講演、研修などができる宇都出 雅巳トレスペクト教育研究所代表 宇都出 雅巳 講師のプロフィールはこちら

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