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北田雄夫【第2回】レースの舞台は「地球」! – イチオシ講師
[NOBETECH MAGAZINE イチオシ講師]北田雄夫 レースの舞台は「地球」! もっとも過酷かつ魅力的なマラソンを駆け抜ける
「継続することの重要性や、人間の持つ無限の可能性を実感しています」
「アドベンチャーマラソン」という世界がある。砂漠や雪山、ジャングルといった壮大な自然の中を数日、時には1か月近くの期間をかけてゴールを目指す。命を落とすリスクすらある、いわば「常軌を逸した」
挑戦だ。この過酷を極めるレースに挑み続け、日本人初の世界7大陸アドベンチャーマラソン走破を達成したのが、北田雄夫という男だ。限界を超えた先にどんな景色が見えたのか、語ってもらった。
(※本記事は、2020年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)
猪俣奈央子≫ 文
北田 雄夫(きただ・たかお)
アドベンチャーランナー
1984年生まれ、大阪府堺市出身。中学から陸上競技をはじめ、大学3年時に日本選手権第3位に輝く(4×400メートルリレー)。就職後もマラソンやトライアスロンなどの経験を積み、30歳で退職してからはアドベンチャーマラソンに参戦。2014年の初レース(ゴビ砂漠)を皮切りに、世界各地の極限的な環境で走り続けている。2017年に日本人として初めて、世界7大陸(アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、南極)で開催されるアドベンチャーマラソンをすべて走破した。
まだ見ぬ新しい世界へ自らの足でたどり着きたい
常に〝想定外〞が起こる苛烈な環境を駆け抜けてきた北田氏。どのようにメンタルを保ちながら体を前に運ぶのだろうか。「つらくなったときは、『まだまだ行けるだろ!』と自分を鼓舞することもあれば、『もうどうでもいいや』とあえて弱音を吐くこともある。そうやってバランスを取ることで、心が折れないようにコントロールしているのです」
また、最終的なゴールを意識しないことも大切だという。「今のつらい状況がまだ何日も続く……と考えたら、嫌になるのが当たり前。『この丘を越えたところまで行こう』『今晩だけ頑張ろう』というように、今の時点にフォーカスしつつ、目標地点を細かく区切るようにしています」
北田氏がレース経験を通して習得したメンタルのバランスをとる方法は、コロナ禍にあって憂鬱な気持ちになりがちな今だからこそ、心に刻んでおきたい。
最後に、極限の地を行く魅力に取りつかれた北田氏に、そのモチベーションの源泉を聞いた。「この先にどんな世界が広がっているか見てみたい、どこまで行けるかやってみたいという好奇心に尽きると思います。初めは250キロのレースで不安に押しつぶされそうだった自分が、今では1000キロを完走できるようになりました。継続することの重要性や、人間の持つ無限の可能性を実感しています」
ここ最近の北田氏は、レース映像の配信や講演、執筆などを通して、自分の経験を世界中の人たちと共有することに注力している。北田氏がたどり着いた「誰も知らない景色」は、今日も誰かに鮮烈な感動を与えている。
アドベンチャーランナー 北田氏直伝!在宅トレーニングの コツ
外出自粛の重要性が叫ばれる今、北田氏も主に自宅内でトレーニングを行っているという。自粛中にチャレンジしたのは、踏み台昇降。「エベレストチャレンジ」と称して、6時間以上かけて約6500回も昇り降りを繰り返している。しかも、登山の環境をできるだけ再現しようと、フェイスガードで口もとを覆って呼吸しづらくし、扇風機の風に当たりながら……。ここまでストイックでないにしても、普通の人が充実した在宅トレーニングを行うためのコツを聞いた。
コツ1 モチベーションが上がる
「トレーニングの献立」を組み立てるストレッチや筋トレの方法は、検索すれば簡単に見つけられる。大切なのは、そこから自分に合ったものをチョイスし、継続すること。「月曜日は腹筋に集中」「火曜日は柔軟体操で開脚に挑戦」といった具合に、自分なりの「トレーニングの献立」を組み立ててみよう。理想的な肉体を目指す道筋が見えれば、必然的にモチベーションもアップするはずだ。
コツ2 自分がどうなるか「実験」する意識を持つ
トレーニングを通して、自分の心身がどのように変化していくか〝実験している〟と考えてみよう。何がきっかけでモチベーションが上がるか/下がるか、持続時間はどれほどか、限界点はどこか……といったことを意識すれば、自分の新しい側面を発見できるはず。こうした知見は、非常時においてメンタルを安定させることにもつながっていく。
北田雄夫 – レースの舞台は「地球」! – イチオシ講師(了)
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