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眞邊明人 プレゼンの鬼が教える話し方のコツ!

眞邊明人【第8回】最強の自己紹介トレーニング – プレゼンの鬼が教える話し方のコツ!眞邊明人の最強の話し方

眞邊 明人

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今回はスティーブ・ジョブズのプレゼンに近づくためのトレーニング。非常にシンプルで、一気に集中してやった方が効果のあるトレーニングです。このスティーブ・ジョブズのこだわりを一気にひとりで「再現」することを目的としています。

元吉本興業のプロデューサーであり、新垣結衣や佐藤健のデビュードラマの監督であり、即興演劇のプロリーグ「アクトリーグ」を生み出したという異色の経歴の持ち主、眞邊明人氏。

売れっ子研修・講演講師でもある 眞邊明人氏に、いままでの研修や講演会をはじめ、様々な経験を通じて得られたことを元に、最強の話し方について語っていただきます。

どうしたら、あの人のように喋れるようになるのか?
あの人とこの人では、同じことを話しても全然違うのはなぜなのか?
最強の話し方を身につけるために必要なこととはなにか?

これぞ話し方の「ノウハウ」決定版です。

スティーブ・ジョブズのプレゼンに近づくためのトレーニング

さて。このコラムも残すところあとわずかとなりました。前回、「【第7回】スティーブ・ジョブズのはなしかた」でとりあげたスティーブ・ジョブズのプレゼンに近づくためのトレーニングをここで紹介したいと思います。

トレーニングの根本は、

「反復」×「修正」×時間(回数)です。

非常にシンプルなトレーニングですが、その分、かなりの集中力を要します。このトレーニングは日々やるというより、一気に集中してやった方が効果のあるトレーニングです。はなしの達人のコラムで、スティーブ・ジョブズは徹底的に「不確定」を排除したプレゼンを行ったと書きましたが、このスティーブ・ジョブズのこだわりを一気にひとりで「再現」することを目的としました。

準備とシナリオ作り

準備するものは、

ノート

ペン

ストップウォッチ

これだけです。

まず、最初に行うことは、自己紹介のシナリオを書くことです。自己紹介をするシチュエーションは基本的に「初対面の人」に対するもので考えてください。ビジネスのシーンでもいいですし、プライベートのシーンでもいいです。なんなら合コンの挨拶でも、結婚式の司会の挨拶でも構いません。それを、400字前後のシナリオをまとめてください。この時点では、多少、粗いシナリオでも構いません。ただ名前、年齢、職業など伝えたい最低の情報は詰め込んでおいてください。推敲はこの時点ではかけません。

とりあえず、400字程度にまとめることが重要です。400字を言葉にすると、早くて1分。長くても2分はいかないでしょう。簡潔でありながら、それなりの個性やアイディアを詰め込める最適な長さです。

シナリオができたら

シナリオができあがったら、それを「音読」します。

「音読」の効果は絶大なのですが、その解説は少しあとにおいておきます。まずは、シナリオを声を出して読むことです。
ここでポイントがあります。それは、

「感情をこめない」
「とにかく早く大きな声」

この2点です。簡単に言うと、暗記するために声を出して読む。そんな感じで読んでもらうとばっちりです。

回数は10回。

とにかくひたすら繰り返し読む。これだけです。この間はなにも考えず読むことだけに集中してください。

読み終わったら

読み終われば、「修正タイム」です。

読んでいて違和感のある表現や、不必要な部分、追加した方がいい部分などに修正を加えます。

ただし。制限時間があります。

それは90秒です。

ストップウォッチで90秒をはかって、その間に修正を加えます。

90秒という高い集中力が維持できる短い時間で修正を加えることにより「直感」で修正を加えるのです。

制限時間内にやりたい修正が全部行えないかもしれません。それでもいいのです。制限時間を設けることで、修正の「優先順位」を自然につけるようになります。ダラダラ考えず、深い集中力で推敲を行うことができるようになります。

修正が終わったら

90秒が過ぎたら、再び「音読」を開始します。このときも感情はこめず、ひたすら早く大きな声で読みます。回数は10回。終われば、すぐに修正を90秒で行います。

これを7回繰り返します。

7回目にはかなり完成度の高いシナリオと、それをある程度、暗唱できるようになっているでしょう。

仕上げ

最後の仕上げは、

「暗記」です。

シナリオを完璧に「暗誦」できるまで読み込みます。この間、「感情」や「表現」については一切考えないでください。ただ、「暗誦」できるようになればOKです。これで「最強の自己紹介」の完成です。少し解説を加えていきます。

解説

このトレーニングの仕組みは

インプットとアウトプットのサイクルを回す。
発表者と聴衆を一度に体感する。

ということによって成り立っています。つくったシナリオ(インプット)を読む(アウトプット)で、瞬間的にインプットとアウトプットのサイクルを回すことができます。また、「声」に出すことで「発表」(アウトプット)することと、それを「聴く」(インプット)をやはり瞬間的に回します。

シナリオ(インプット)

「読む」(アウトプット)

「聴く」(インプット)

「修正」(アウトプット)

シナリオ(インプット)

こういう実に効率的なサイクルがつくれるのです。文字で書いたものは言葉にして発音すると全く違った印象になることがあります。「読む」ことによって、その違和感の修正と、その内容を自分の耳で聴くことによって、聴衆の印象も体感することができます。よく、書いたメモを読みながらスピーチする人がいますが、たいていつまらないことが多いものです。それは、文字と言葉の修正をしていないからです。

文字で書いた段階のものは単なる「原稿」であって、シナリオではありません。
読み込んで、「言葉」として修正されたものが「シナリオ」なのです。

「小説家」と「シナリオラター」が職業として違うのは、この文字(文章)と言葉の違いなのです。このトレーニングは声に出して読むことによって、誰でも「シナリオライター」になれる優れものなのです。また、何度も読むことによって、身体で内容を把握するという側面もあります。どんなに緊張しても身体が勝手に反応してスラスラと言葉にしてくれる。まさに最高の自動運転です。

ここでもうひとつのポイント。

「読む」ときに「感情を込めない」と何度も書きましたが、これには理由があります。

スピーチには必ず「聴衆」がいます。「聴衆」の反応は、人数や場所、時間によっても変化しますし、「聴衆」がどんな人によってかも変化します。ですから、状況にあわせて「はなしかた」を変える必要があります。最初から「感情を込めて」練習するということは、ある程度「聴衆」を想定してその想定内で練習することになります。したがってその「想定を外れる」と失敗してしまうのです。

まぁ、簡単にいえば「無駄」な練習になってしまう確率が高いのです。それよりも完全に「はなす内容」を暗誦できるようにしてしまえば、はなす内容に惑わされることはありませんから、集中力をすべて「聴衆」に向けて臨機応変に対応ができるというわけです。

スティーブ・ジョブズのプレゼンを映像で見ると、極めて落ち着いて、「聴衆」と向き合っている姿が映し出されています。そして、言葉はつまったり迷ったりすることは全くありません。これはスティーブ・ジョブズが完璧にはなす内容を頭に叩き込んでいる証拠です。その上で、「聴衆」を観察しながら臨機応変にテンポや身振り手振りを加えていくのです。まさにこのスティーブ・ジョブズの状態を再現するのがこの「最強の自己紹介トレーニング」です。

このトレーニングはシンプルで簡単ですが、その分、極めて高い集中力と根気が必要です。ですが、やりきれば必ず絶大な効果を生み出します。ぜひ一度、取り組んでみてください。

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