萩原智子【第2回】水から受けた恩を教育を通じて返す – チームの結束力が、個のパワーを引き出す!

萩原智子 チームの結束力が、個のパワーを引き出す!

チームの結束力が、個のパワーを引き出す!

チームの結束力は苦境に立たされた選手を支える「最後の砦」です。
萩原氏はこれまで何度も日本代表に選ばれてきた。そこで感じたのが、代表は一つのチームということだ。

トップスイマーとして活躍していた萩原智子氏は、24歳で引退した。しかし、5年間のブランクを経て29歳で現役復帰し、日本記録を樹立。どんな感情が萩原氏を動かしたのか。また、萩原氏が身をもって感じ取った「水泳日本代表チームの結束力」は、どのように生まれ、どんな効果をもたらしたのだろうか。

白谷輝央≫文 佐々木信行≫写真

※この記事は、2016年4月1日発行のノビテクマガジン発行時に収録した内容の再掲です。記事中の年齢、肩書きなどは2016年取材時のものです。

チームの結束力が個人の力を伸ばす

萩原智子

萩原智子

– チームの結束力は苦境に立たされた選手を支える「最後の砦」です。 –

萩原氏はこれまで何度も日本代表に選ばれてきた。そこで感じたのが、代表は一つのチームということだ。

1996年のアトランタ五輪で惨敗した競泳日本代表は、上野広治氏(現・日本水泳連盟強化本部長)をヘッドコーチに据え、立て直しを図った。

「上野先生が強調したのは、『オープンマインドで、チーム力を高めよう』というメッセージでした。役立つ情報があれば、チーム全員で共有するような雰囲気を作り出してくれたのです。最初は『選手同士はライバルなのに、何を言っているんだ』と反発する人もいました」

上野氏の指導はユニークだった。例えば、8つのレーンに代表選手全員を並べ、同じピッチで泳がせる「シンクロスイミング」は、萩原氏にとって思い出深い練習。全員で息を合わせようとするうち、コミュニケーションが行われ、いつの間にか結束力が生まれていた。

「選手は時に、苦しい場面に立たされることがあります。その際、個人でしか戦えない選手は挫折する危険性が大きい。一方、チームが一丸となるなら、強い気持ちで進めるというのが上野先生の教えでした」

今の競泳日本代表にも、チームワークの伝統が息づいている。例えば北島康介選手は、大舞台で結果を出すまでのプロセスや、水中撮影した映像などを、後輩たちに惜しみなく提供。彼らが成長してチーム力が底上げされれば、自分も刺激を受け成長できるという発想が背景にある。

「私も現役当時は、チームのためにいろいろな役割を果たしました。例えば遠征先で、注文しておいたおにぎりを受け取りに行ったり……。歳が上だろうがメダリストだろうが関係なく、『チームのためにできることがあれば、何でもやろう』という意識でした。ロンドン五輪で銀メダルを獲得した入江陵介選手が、レース終了後『競泳は27人で1つのチーム。27人のリレーはまだ終わらないです』と語ったのも、そうした意識の象徴でしょう」

チームワークを大事にするのは、日本代表に限ったことではない。アメリカやオーストラリアのような強豪国は、どこも結束力が強いそうだ。

「強いチームを作るには、全員が意見を言い合える雰囲気を作ることが不可欠です。私が代表に参加していた頃は、他人の泳ぎを見て全員でディスカッションする機会がありました。最年長の私も、『ハギトモさん、帽子のかぶり方がダメですよ』などと細かい部分までアドバイスを受けました。でも、皆が仲間のために助言することで先輩・後輩の垣根を越えることができ、とても良い雰囲気になっていました」

水から受けた恩を教育を通じて返す

今、萩原氏は日本水泳連盟に所属し、水泳の普及やジュニア選手の環境整備などを担当している。また、個人の取り組みとして、水の大切さを教える活動も展開中だ。

「私は、水とコミュニケーション・エデュケーションを組み合わせた『水ケーション』を提唱しています。水泳選手にとって、水があるのは当たり前。でも、趣味で山登りをした時、山小屋の方から水の大切さを教えていただいたのです。ふんだんに水を使う水泳は、なんて贅沢なスポーツなのだと痛感しました」

水ケーションでは、森林セラピストと協力して水の貴重さを再認識。続いて水泳教室も行い、身体を通じて水を学んでいくスタイルだ。

「私たちは『水』によって生かされています。私自身、水があったおかげでここまで成長できました。水があって当たり前ではなく、有り難い …そうした感謝の気持ちを、子供たちに伝えたい。それが今の私にとって、大きな目標ですね」

モチベーションを高める3ケ条

  1. 日記を読み返して自分自身をほめる
  2. 原点に立ち戻って今の状況を楽しむ
  3. 全てをリセットしてゼロから挑戦する

萩原智子(はぎわら・ともこ)

1980年生まれ。1998年のアジア競技大会で3つの金メダルを獲得。2000年のシドニー五輪では、200m背泳ぎ、200m個人メドレーで入賞を果たした。2004年に現役を引退したが、2009年に復帰。50m自由形、100m個人メドレーで短水路日本新記録を樹立するなど活躍した。現在は日本水泳連盟理事、2020年オリンピック・パラリンピック組織委員会アスリート委員を務めるかたわら、テレビ出演や水泳教室の講師など多忙な毎日。

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