働き方・生き方

サッカー解説者／2004年アテネ五輪サッカー日本代表監督の山本昌邦氏をお迎えした｢人と組織を成長させるデータ活用マネジメント｣の様子を研修講師 坂本行廣氏がレポートいたします。

坂本行廣（さかもとゆきひろ）
＜人材・組織開発ファシリテーター／メンタルコーチ＞

人材・組織開発コンサルティング会社で階層別教育など各種研修、組織風土改革、次世代リーダー育成プロジェクトなど各種プロジェクトの開発、実施に携わる。研修では、理と情のバランスを重視し、受講者が頭で理解し、心で納得することを心掛けている。2013年にプレイフルワークスを設立し、現在は仕事をプレイフルに楽しめる人材、組織作りに取り組んでいる。

ノビテクマガジン倶楽部が主催する講演会の様子を
研修講師のわたくし坂本が毎回レポートいたします。

今回の講演者は、NHKのサッカー解説者であり、2004年アテネ五輪サッカー日本代表監督であった山本昌邦さん。サッカー好きの私としては、ぜひ山本さんにお話しを伺いたいと思い、講演前に挨拶をさせていただきました。

第一印象は

「ええっ、でかい！」

テレビでは、失礼ながら大柄な印象は無かったのですが、お会いすると私より一回り大きく、精悍で、非常に威圧感を感じました。ところが実際は、講演前というナーバスになる時にも関わらず、非常に気さくに話しかけて下さり、山本さんの裏表のない素敵な人柄を感じました。

プログラム

3部構成で、第1部は講演、第2部は山本さんへの質問会、第3部は懇親会。講演自体は2部構成で、第1部は「一流選手の特徴」、第2部は「一流選手のマネジメントの仕方」。盛り沢山の内容にも関わらず無料という、何か裏があるのではと思わせる贅沢な会となりました。

「一流選手の特徴」

「一流選手の特徴」で特に印象に残ったのが、

“技術、戦術、体力の3つは選手にとって必須の要件であり、データも豊富にある。
ただし、一流の選手とそうでない選手の違いは、
4つ目のメンタル（意欲、情熱、気持ち、折れない心等）である”

というお話でした。

例えば、ワールドカップのような全世界の注目が集まる、プレッシャーの高い大会で、短期間に何試合もギリギリの試合を行い、体力・気力もほとんどない状態の延長戦で、絶対に勝つという気持ちを持ち続けられるか。

サッカー選手として「未来はない」という烙印を押され、ジュニアユースからユース等の次のステップに進めないという挫折を味わった後も、自分を信じ這い上がってこられるか。

この違いが、その後の成長に大きな影響を与えるのである。

我々ビジネスパーソンも長い社会人人生の中で、様々な困難に出会います。その際に、自分はこの4つ目をどのレベルで持ち続けられるかが問われているような気がしました。

「一流選手のマネジメントの仕方」

「一流選手のマネジメントの仕方」では、“良い監督は、選手の良さを最大限発揮させる監督”というお話が印象に残りました。例えば、そのためにどんなことをしているかと言うと、

• 選手に長所、得意な点を強調し、チームに貢献できることを意識させる。
• 今の自分がいるのは、小さい時から家族をはじめとする様々な人のお陰であり、感謝の気持ちを持ち続ける大切さを伝える。
• 試合前には、結果ではなく、各自のパフォーマンスが最大限発揮できるように意識付けを行う。
• ハーフタイムには、前半を振り返り、やってはいけないことを伝えるのではなく、後半行うことを伝える。
• 伝えるだけではなく、気づかせる。
• 努力、成果を褒め、正しいプロセスが成果に繋がることを気づかせる。
• 感情に基づいたマネジメントを行う。ワクワクさせる、心を動かす。
• データ結果に基づいた選手一人ひとりに合わせたコミュニケーションを行う。
• 選手の心に火をつける。

etc

改めて、サッカーの一流選手のマネジメントも、会社での部下のマネジメントも変わらないということを教えていただきました。

まとめ

最後に山本さんが結局は “人間性である” とおっしゃっていましたが、自分自身の成長、部下のマネジメント共に、人間性が根底にあることを再認識いたしました。 “人間性” という言葉にしてしまうと軽いですが、実際はずっしりと重たい言葉です。しっかりと心に刻みました。

研修後の懇親会では、東京タワーが見える素敵な夜景を背景に、株式会社ゴーン様の美味しいケータリングを頂きました。頭にも、心にも栄養が満たされる、そんな機会をいただき、今回もありがとうございました！

講師への講演依頼はノビテクマガジンで！