堀井亜生【Q2】「マタハラ」についてリーダーが知っておくべきこと – 教育担当者奮闘記[法律編]

堀井亜生 教育担当者奮闘記[法律編]

堀井 亜生

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2015年07月06日

Q2 「マタハラ」について気を付けることは?

mochibetakao2

株式会社ノビテル商事
人事部 人材育成課
持部孝夫さん〔29歳〕

株式会社ノビテル商事入社6年目。
今年4月より営業支援部から人事部・人材育成課へ異動してきた新米教育担当者。
「研修担当者になって半年が経ちましたが、まだまだ課題は山積みです・・・」

先日テレビで「マタハラ」の特集を観ました。弊社でも、産休・育休前後のサポートも含め意識して改革を進めていますが、現場のことはまだ把握できていない状況です。現場のリーダーのみなさんに認識していただくべきことがあれば教えてください。必要があれば、次年度の管理職研修に内容を盛り込みたいと思います。

A 法律上の妊娠・出産に伴う規定の周知徹底と雰囲気作りを!

マタハラとは「マタニティ・ハラスメント」の略称であり、働く女性が妊娠・出産を理由に解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントのことを言い、「セクハラ」「パワハラ」に並ぶ3大ハラスメントの1つとされています。

マタハラは、男性と女性の妊娠・出産への意識の違いによって起こる場合も多いですが、男性の上司から部下への言動に限らず、女性同士、同僚間でも起こりうる問題です。セクハラの問題と同様に、誰もが問題であると感じる言動から、悪意のない発言でも受け取る女性の性格や状況によって、ハラスメントと受け取られる場合もあり、どこからがマタハラなのかという定義付けが難しいところが、問題解決を困難にしていると考えられます。

マタハラと言われない職場作りのために、まずは、法律上、妊娠・出産に伴う規定がありますので、それを周知徹底する必要があります。具体的には、

妊婦検診の時間を確保する義務(男女雇用機会均等法第12条)、医師の指導がある場合の勤務時間の短縮、休憩時間の延長などの措置(同13条)、産前6週間の休業、産後8週間の休業(労働基準法第65条)、産前・産後休業の期間及びその後30日間の解雇の禁止(同19条)、育児時間(1歳未満の子、1日2回30分以上)の請求権(同67条)、育児休業制度(育児・介護休業法第5条~9条の2)、短時間勤務制度(同23条)、時間外労働、深夜業の制限(同17条、19条)

といったことが法律上規定されておりますので、申し出がありましたら、すぐにこれに対応できる職場環境の整備が必要になります。

次に、いくら法律上制度が整っていても、制度利用を申し出にくい職場環境であれば、問題は解決しません。
妊娠中は、妊娠に伴う体調不良や出産への不安と戦いながら、自分の妊娠に伴う周囲への負担について常に気を使う状況に陥ります。
その状況下で、周囲から心ない言葉をかけられますと、通常以上に精神的に落ち込みやすく、些細なこともハラスメントと捉えてしまう傾向がありますので、そのことを十分に理解した上で、妊娠中の従業員に接する必要があります。

会社に産休育休後復帰した女性社員がいましたら、彼女たちからどういった点が大変であったか、辛かった言動など意見を集約して、管理職に周知することも、今後問題を生じないようにする方法です。

また、同じ言動でも、出産経験者の女性から言われることと、男性上司から言われるのでは、受け取り方も変わりますので、立場上、妊娠中の従業員に指導する男性管理職の方は、デリケートな問題については、女性の先輩から指導させるなど臨機応変な対応も重要です。一方で、ある従業員の産休・育休により周囲の業務の負担が増えることが、不満につながり、マタハラを引き起こす要因になっていると言われておりますので、妊娠・出産を経て、会社に復帰してもらうことが、よりよい人材の確保につながり、会社全体の利益につながることを日頃から周知することで、引き継ぎや業務代行をスムーズに行う雰囲気作りが出来ると良いでしょう。

(※本記事は、2014年10月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)

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職場コミュニケーション活性化講演会、医療現場課題解決講演会、などができる堀井 亜生弁護士法人 フラクタル法律事務所 代表弁護士
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