辻秀一【第1回】Flowな心から良いパフォーマンスは生まれる – スポーツドクター 辻秀一 心をFlowに導く思考習慣

スポーツドクター 辻秀一 心をFlowに導く思考習慣

心をFlowに導く思考習慣「ライフスキル」で組織のパフォーマンスを最大化する

人々の抱える問題を解決し、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を実現したい。そのためのキーワードは、元気、感動、仲間、成長の4つ。これらは、人間のQOLに必要な心のビタミンで、不足すると人間らしく生きていくことができないと、辻秀一氏は語ります。

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Flowな心から良いパフォーマンスは生まれる

人々の抱える問題を解決し、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を実現したい。それが僕の根幹にある思いです。そのためのキーワードは、元気、感動、仲間、成長です。この4つは、人間のQOLに必要な心のビタミンで、不足すると人間らしく生きていくことができません。心のビタミンを感じ与えてくれるのは、音楽でも芸術でも何でも良いんです。ただ、その一つがスポーツであると、もっと皆さんに知っていただきたいのです。スポーツは気合と根性だけでやらされるものでは決してない。人々はスポーツに触れることで、豊かな人生を作っていくことができるんです。

人生を豊かにするために、私がスポーツから得た知恵がスポーツ心理学やスポーツ医学です。日本の場合、この二つはスポーツ選手のためのものですが、私は多くの方のQOL向上のために役立てていきたい。そして最終的にスポーツの価値づくりをしていきたいという思いがあります。今回はノビテクマガジンの読者の方たちに、スポーツ医学・心理学の観点から人材教育についてお話しさせていただきます。

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私は人の心こそが「財」であると考えています。この財を増やしていくには、心の状態をマネジメントして、より高めていかなくてはいけません。ただし、どの会社も戦略的なことに力を入れていて、人づくり・心づくりに価値を重んじているかというとそうではない。人の心づくりをすることこそが人財教育だと、私は思っています。

心づくりをどのようにするかお話しする前に、人の心の状態の種類について触れておきましょう。後で詳しく解説しますが、心の状態は「Flow」「Non Flow」の2種類しかありません。Flowを簡単に説明すると「揺らがず、とらわれずの状態」。別の分かりやすい言葉で言うと「上機嫌」です。心がこの状態にあると、人間の機能は必ず上がります。一方のNon Flowは、「揺らいでとらわれている状態」、つまり不機嫌な状態ですね。心の状態がNon Flowだと、当然機能は低い。何かに取り組んでいたとしても、それはやっているふりだけでパフォーマンスは上がらず、結果が出ないという構造です。さらに、Non Flowが続くとストレスが溜まり、行きつく先はうつ病です。

心の状態は本当に大事なのですが、多くの人が気づいていません。なぜ気づかないのかというと、心の状態が顕著に結果に表れるスポーツと違って、ビジネスでは心の価値があまり重んじられていないからです。心がいい状態で取り組まない限り、スポーツでもビジネスでも結果が出るわけがありません。結果を出すためには、まず自分自身の機能を上げる。そのために心を整えれば、必ずパフォーマンスの質は上がります。これは人間の普遍的な仕組みです。ビジネスの世界では、社員の機能が上がれば、おのずと結果が上がるということをまずイメージしていただきたいです。

心をNon Flowに導く習性のある認知脳

とはいえ、頭では分かっていても、心をFlowに持っていくのはなかなか難しいものです。苦手な人と接したり、大変な仕事をしたりすると、心が不機嫌になってしまうことは多いですよね。人の脳には、思考や行動を司る機能のほかに、「認知する」機能があります。この認知脳は、外界と接着している脳みそです。外界とは、「環境」「出来事」「他人」の三つの要素のこと。多くの人はこれらと接着しながら生きています。つまり、自分で生きているようで、認知の機能が接着しながらこれら三つに操られて生きているのです。

この三つの要素に触れることは、パフォーマンスの内容を決定する上でとても重要です。現在の状況を認知して、過去の出来事を分析し、何をするか戦略を立てる。ビジネスで言えばPDCAやToDoリストですよね。それができないと、ビジネスでもスポーツでも土俵にすら乗ることができません。ただし、この認知の脳は外界の出来事に意味づけを起こして、心をNon Flowの状態に導く習性があります。つまり、人間の脳はネガティブな意味づけをしやすいということ。

例えば、雨が降っているとあまりいい気持ちになりませんよね。それは、雨が降ると濡れるし、傘を差すのが面倒くさい、という意味づけを脳が起こしているからなんです。けれど、考えてみてください。雨はただ降っているだけで、本当は嫌な雨なんて無いんです。私たちは過去の経験に基づいて、雨が嫌だと後天的に意味づけをしているだけ。

それと同じで、「あいつは嫌な奴だ」と言いますが、本当は嫌な奴なんていないんです。「仕事が大変だ」と言いますが、大変な仕事もない。「嫌だ」「大変だ」という意味を私たちが勝手に付けているだけなんです。そう、人間は外側の出来事に意味づけをする生き物なんです。私のトレーニングでは、この「認知」とは違う脳の使い方をお伝えしていきます。

(※本記事は、2014年1月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)

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