スポーツドクター 辻秀一
心をFlowに導く思考習慣【第2回】

辻 秀一

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • はてなブックマーク
  • Linkedin
【コラムジャンル】
, , ,

2015年04月10日

心をFlowに導く思考習慣「ライフスキル」で
組織のパフォーマンスを最大化する

スポーツ医学や心理学をアレンジしたオリジナルメソッドで、スポーツ選手のみならず、あらゆる分野の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高める活動を行っている辻氏。特に質高く本来のパフォーマンスを発揮するためには、心の状態が「Flow」つまり「上機嫌」でないといけないと説く。多くの人々がとらわれている「認知」からの脱却や、心を「Flow」に導く思考法、人材育成への応用法など、大いに語っていただいた。

署名2

前回のコラムでは、「心の状態の大切さ」について教えていただきました。

(前回のコラムはコチラ http://www.nobetech-mag.jp/?p=693

 

 

 

イチローが結果を出し続けられる理由

 

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。実は、意味づけをしている自分に気づくことが重要です。脳の機能には、意味づけする認知とは別に、意味づけをしている自分に気づく機能もあります。その脳機能を「ライフスキル」と呼びます。「意味づけをしてはいけない」ではなく「意味づけをした自分に気づく」ことがポイントです。大リーガーのイチロー選手は、常にこの状態です。試合で五打数〇安打だったとしても、「これをバネにしないと」とは考えません。ただの五打数〇安打だと認識し、何をしないといけないかをもっと明確に考えていくのです。ライフスキルとは、外側で起きた出来事をプラスに意味づけして対策することではありません。気づくことから始まって、自分の心の状態をFlowにしていく思考習慣なのです。

 

多くの人は、認知の脳でしか思考していません。そのため、意味を考えたり、何をすべきかを考えたりする、外界に対する思考は得意なのです。その代償として、常に外側に状態を支配されているために、文句やグチと言い訳が出てしまうんです。これは、人間には認知の脳があるため、仕方のないこと。一方、ライフスキルはただの思考です。思考は今、粒子物理学的に研究されていて、思考をするだけで、脳の中にエネルギーや波動が生まれて、気分が変わるんです。人は気分を変えたいとき、好きなものを食べに行くという「行動」に頼ってしまいがちです。ただ、行動はいつもできない。であれば、好きな食べ物のことを考えてはどうでしょう? いつでもできますし、心もFlowに傾きます。このような思考の習慣こそが、心をマネジメントする「ライフスキル」を養い、心の状態を常にFlowに傾かせる自分作りができるようになるんです。外界への対処ではなく、自分にフォーカスし、心の存在と価値を重んじながら、心をマネジメントするための思考習慣を身に付けた人が、これからの時代を生き残れると思っています。

 

TSUJI2-1

マネジメント職にこそ欠かせない ライフスキル

 

モチベーションを高く持ちなさい、とビジネスマンはよく言われるかと思います。ただしモチベーションマネジメントとは、自分が何をすべきかを考えること。自分の外側に意味を探すことで、自分を動かしていくので、外発的な動機づけということになるんです。コーチングもそうで、外部から意味づけを作り出しますよね。それも大事なのですが、ライフスキルは内発的で、外側に全く依存していません。「自分がしたいからする」ということはまさに内発的な動きで、ライフスキルの根幹にあるものなんです。

 

内発的なやる気の作り方は、まず自分の心をFlowにすることです。「“今に生き”と考える」「好きなことを考える」「一生懸命楽しむと考える」などの思考習慣を身に付けていくと、外側によって作られていた心が、自分自身で作れるようになるんです。心がFlowの状態であれば機能も上がりますし、すべきことにどのような精神で取り組むかと言ったら、楽しい方がいいに決まっています。日本はPlay(楽しむ)が足りなくなっているかもしれませんね。スポーツを楽しむ、ビジネスを楽しむ、人生を楽しむというPlay文化を取り込んでいくことも大事です。

 

会社組織では、社長でもリーダーでも新人でも、全員がFlowの状態に自分で持っていく思考ができなければいけません。特にポジションが上がれば上がるほど、この思考は必要になってきます。というのは、プレイヤーのときは自分だけで良かったのが、部下ができると責任も増し、自分で思い通りにならないことが増えるため、どうしても機嫌が悪くなりやすいからです。この思考ができない人が、部下に影響を与える立場になると、その組織は必ず脆弱になります。親の機嫌が悪ければ、子どもはいつも寂しい思いをしてしまいます。親は「あなたのテストの点数がよければ私も機嫌がよいのよ」と言うかもしれませんが、親がまず機嫌よく生きることが子供にとって大切なんです。会社ではリーダーになった人が、周りを機嫌よくさせて動かすために、コーチングなど外発的な動機づけを勉強しがちです。そうではなくて、自分の機嫌をよくする力をまず磨いて、それから次のステップとして、周りをFlowにするにはどんな生き方が大事かを身に付けていくのです。この思考法を重視している会社は、社内に「Flowプロジェクト」を作っているほどです。

 

最後になりますが、Flowの考え方は、私たちは常に外界と接し結果を出していく上で、身に付けていく大事なことです。外界と接していない何もないところでご機嫌になっても、それはFlowと言えません。外界という制約条件がある中で自分をFlowに持っていき、ライフスキルを育んで、結果を出すことが重要なのです。

 

(※本記事は、2014年1月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。)

RELATED ARTICLE -関連記事-

[講演依頼、講演会のことなら、ノビテクマガジンビジネスタレントにお任せください!]

[ノビテクマガジン倶楽部会員登録は無料です。]

  • AP 貸し会議室

    AP 貸し会議室
  • 集客イベント・セミナー向け 講師特集

    集客イベント・セミナー向け 講師特集
  • おすすめ 講演講師 連載コラム

    おすすめ 講演講師 連載コラム
  • 人と組織の成長を応援するNOBETECH MAGAZINE[ノビテクマガジン]の詳細

    人と組織の成長を応援するNOBETECH MAGAZINE[ノビテクマガジン]の詳細
  • nobetech 株式会社ノビテク コーポレートサイト

    nobetech 株式会社ノビテク コーポレートサイト

サイトを携帯電話でご覧になる方は、こちらのQRコードをご利用ください。