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専門家が語る「本当の多様性」とは-実現に向けて今企業ができること-

八坂貴宏【第4回】「イクボス」式経営で信頼関係が高まり社員全体の働きがいがアップ – 専門家が語る「本当の多様性」への現状と課題-実現へ向けて今企業ができること-

ノビテクマガジン編集部

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2017年12月12日

「ボスと部下のより良い信頼関係をもたらし、多様性を活かすことで企業の価値創造にもつながっていくのです。」
企業価値を実現することを目標に、政府が新たに打ち出した「ダイバーシティー2.0」今、企業が考え行動しなくてはいけない事を分野ごとの専門家が課題、現状を解説。
(※本記事は、2018年1月1日発行のノビテクマガジンに連動した詳細記事です。)

上司も部下のジレンマに陥る「働かせ方改革」

八坂貴宏
八坂貴宏

子育て世帯の7割近くが共働きの中、男性も子育てに積極的に関わる「イクメン」が当たり前の時代になりましたが、休取得率(平成28年)を見ると、女性の81.8%に対して、男性はたったの3.16%です。また、内閣府調査(平成26年)によると、「男性は外で働き、女性は家庭を守る」という考え方に、いまだ半数近くが賛成しており、多様性実現とはほど遠い状態といえます。

そんな中、「働き方改革」がムーブメントとなり、短時間勤務対象者の拡大やテレワークの導入、時間外労働削減などに取り組む企業が一気に増えました。しかしながら、私が研修でお会いする管理職の声を聞くと、目標を達成することと、多様化した部下のマネジメントを行うことで板挟みとなり、悩みが大きくなっていると感じます。一方、部下からは、「早く帰れ!と言われるけど、仕事は減らないし、人が増えるわけでもないので、帰れない」という声をよく耳にします。

「働き方改革」が「働かせ方改革」となり、上司も部下もジレンマに陥っているのです。このジレンマを解消するにはどうすれば良いのか?その大きな解決策の一つに「イクボス※」式経営の浸透があります。

※イクボスとは、「部下のキャリアと人生を応援する」「組織目標を達成する」「ボス自らが仕事と私生活(WLB)を楽しむ」上司(性別不問)のことをいう。

イクボスでボスジレンマを解消

NPO法人ファザーリング・ジャパンで実施した「管理職の本音(ボスジレンマ)調査」では、ボスジレンマの緩和には「会社の十分なサポート」「部下との十分なコミュニケーション」「ボス自らのワーク・ライフ・バランスの実現」が鍵で、ハード面よりもソフト面が大事だという結果が出ました。

AIGジャパンでは、全社員向けに「ボスに感謝の気持ちを込めてThank Youカードを送ろう!」キャンペーンを実施した結果、次のようなメッセージが多数上がりました。

「理解あるボスに恵まれて、産前とは全く違うやり方で、産前の何倍も、仕事に笑顔で全力投球できるようになりました!」

「子どものいる私に理解を示してくださるおかげで、私のワーク・ライフ・バランスは今までになく完璧です。学校ではPTAにも積極的に参加でき、周りの皆さんから「いい会社だね」といつも言われています。」

双方向のコミュニケーションで、ボスも部下もやる気になり、チーム力が高まる好事例です。

日本郵便のマネジャーは「マネジャーが部下一人一人に寄り添えなければ働き方改革なんてできない」と言っています。マネジメントを体系化し、社員一人一人を大切にしている事例を冊子にして係長以上全員に配布し、また継続して研修を行うことで成果につなげています。「制度」や「仕組み(ツール)」の整備・提供も大事ですが、それ以上に「風土」を醸成することが重要となります。

ボスや部下の意識変化が会社の「風土」を変革しよう

「風土」を変えるためには、トップの意識改革だけでなく、ボスや部下自身が変わることが大事です。ボスは、時間や気持ちの余裕(スラッグ資源)をもつために、「イクボス式リーダーシップ」(ビジョンを伝える→チームを創る→部下を支援する→成果を出す)と具体的スキルを身につけることが重要です。余裕が出来た時間で、自己啓発、趣味やソーシャル活動などに投資することで、外部環境や視点が認識でき多様性も磨かれ、それをビジネスに活かすことで成果が高まります。

部下には、与えられた時間内で成果を出す意識の醸成とスキル付与が重要です。 知識やスキル向上の機会を与え、ボスのコーチングにより、部下の能力、可能性、やる気を引き出せるよう支援します。部下自身も努力・工夫することで生産性が向上し、子育ての時間も取れ、悩みが緩和され仕事に集中できます。また、子育てや趣味等を通じたコミュニティでの人脈形成により、外部視点を取り入れることができます。

これらの取り組みは、ボスと部下のより良い信頼関係をもたらし、多様性を活かすことで企業の価値創造にもつながっていくのです。

八坂 貴宏 (やさか たかひろ) プロフィール

八坂貴宏

office.YASAKA 代表
生命保険会社での勤務(15年間)を経て、2008年に教育コンサルタント業として起業。様々な業界や階層の企業研修講師 として、年間150日以上登壇する。NPO法人ファザーリング・ジャパンやNPO法人コヂカラ・ニッポン理事など、ソーシャル活動も精力的に活動する。

講師への講演依頼はノビテクマガジンで!

自らの経験を活かし、“イクボス”をはじめ、 “イクメン”“女性活躍推進”
“ワークライフバランス”“子どものキャリア教育”などをテーマに講演もこなします。
八坂貴宏office.YASAKA 代表/NPO法人コヂカラ・ニッポン理事
八坂貴宏 講師のプロフィールはこちら

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