<スペシャルインタビュー>舞の海秀平氏

舞の海 秀平

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2015年08月07日

角界では小柄な体格ながらも、そのハンディキャップを乗り越え、引退までに技能賞を5回受賞。現在は様々なフィールドで活躍する舞の海秀平氏に、つらい時を乗り切る“コツ”を語っていただいた。

 

 

署名5

 

 

続けることで、これだけはほかの人には負けないという何かを確立して、頼られる存在になれば、それが生きがいにもなる。

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つらい状況を客観視する
“もう1人の自分”が心をラクに

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現役の力士時代は、稽古をして、本場所で勝つ。やるべきことはそれ1 つでしたが、現在は会社員の方々と同じように、やらなければいけないことに追われながら日々過ごしています。そうした状況を「つらい」と感じる人はたくさんいらっしゃることでしょう。

忙しく大変な状況になってくると、私の場合は心の中に、もう1 人の自分が現れます。そして、そのもう1 人の自分が「この状況をコイツはどうやって乗り切るんだろう?」と、高みの見物を始めるのです。現役時代にも、対戦前にプレッシャーを感じて押しつぶされそうになった時には必ずもう1 人の自分が現れて、「コイツはこのままプレッシャーに負けてぶざまな姿を晒すのか。それとも、プレッシャーを乗り越えて勝てるのか。さあ、どっちだ?」と眺めていました。そうしてもう1 人の自分が客観的に実況中継し始めると、だんだん気持ちが落ち着いてきて、自分の本来の力を発揮することができました。ちょっと変わった方法かもしれませんが、精神的に追いつめられた時には、そんなふうに俯瞰してその状況を捉えてみると、気持ちがラクになると思います。

 

 

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落ち込んだ人への励ましは、

共感を示し、視野を広げる

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 人事の皆さんの場合は、例えば、異動でなかなか環境になじめず、つらいと感じている社員から相談を受けることがあるかもしれません。そうした時には、自分の経験や視野を広げるような話をしてあげられるといいんじゃないかなと思います。

つらいと感じる出来事は、誰もが何度も経験して、その度に乗り越えてきているはずです。あの時も何とかなったのだから、先が見えないと思える今も、時間が経てば同じように乗り切れる。そう思わせてあげられるといいですよね。やっぱり、自分が相談する立場だったとしたら、儀礼的に「頑張って」と言われると突き放された気持ちになるでしょうし、あまりにも楽観的に「大丈夫だよ」と言われるのも反発を覚えますよね。

大切なのは、やさしく包み込むように「私もこんな経験があったからよくわかるよ」と共感を示す
こと。そして、「でも、あなたのこういうところが評価されて、新しい場で活躍してほしいと期待されているんだよ 」などと、目の前の壁しか見えなくなっている視点を少し先に向けてあげることだと思います。

それから、「もう辞めたい」と言われることもあるでしょう。そういう人に対しては、私なら「辞めることはいつでもできる。ここを乗り越えて続けていれば、新しい発見があるかもしれないし、続けていてよかったと思える日もくるかもしれない。今辞めてしまうのはもったいないよ」と言ってあげたいですね。せっかく積み上げたものを、積み木のようにグシャッと崩して、またゼロから築いていく。それを繰り返してばかりいたら、将来は何も残らず、後悔すると思うのです。続けることで、これだけはほかの人には負けないという何かを確立して、頼られる存在になれば、それが生きがいにもなるでしょう。

自分がずっと相撲を続けてきたので、「続ける」ということに人一倍、こだわりがあるのかもしれません。高校時代はずば抜けて強かったわけではないのに、私よりも強い人がどんどん辞めていってしまったことで、試合に出られたこともありました。そんなふうに、続けていたら、どう転ぶかわからないんですよね。

また私は、人は縁で生かされていると考えているので、その会社に入社したのも、今の上司や部下と出会ったのも、きっと何かしらの縁があってのことだと思うのです。ですから、今は厳しすぎると思っている上司がいたとしても、5年後、10年後には、そのおかげで成長できたと思えているかもしれません。私の高校時代の恩師も厳しい人で、よく「いなくなってくれないかな」と思っていました(笑)。でも、あの厳しさがあったからこそ、大相撲でやっていけたのだと、今となっては感謝の気持ちしかありません。

 

 

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真面目に考えすぎずに、

ユーモアも大切に

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ただ、企業にお勤めの皆さんは真面目すぎると感じることがあるので、私は講演などではいつも「真面目にならないでください」と伝えています。物事を真面目に突きつめすぎると、自分をどんどん追い込んでしまいますからね。

とくに、部下を指導する立場の人や後輩のいる人には、ユーモアを大切にしてほしいと思います。私が出羽海部屋にいた当時の親方はとてもユーモアのある人で、いつも救われていました。連敗して自信をなくし、うつ状態になっていた時に、「山の頂上から見る景色もいいけれど、谷底から見上げる景色もまたいいものだぞ」と言ってもらったことで、心がパッと晴れたのを覚えています。

また、本場所前のプレッシャーから逃れようと、女性とのスクープを写真週刊誌に撮られてしまったことがあったのですが(笑)、発売になって叱られる前に謝っておこうと報告をしたところ、親方は叱るどころか、こう言ったんです。「200 冊くらい買って、両親に送ってやれ。俺もこんな週刊誌に写真を撮られるようになったぞって」と。そして「昔はやりたい放題だったけど、今の時代のお前たちはすぐに写真を撮られてかわいそうだな」とも言ってくれました。

上司にこんなユーモアがあると、それだけで部下や後輩は救われますよね。それに、その度量の大きさを尊敬して、こんな素晴らしい上司に迷惑はかけられないとも思うようになる。やっぱり、心が通っていないとつらくなるし、人も動いてはくれません。そういう意味でも、あまり真面目すぎずに、私のようにどこかに“いい加減さ”を持っていたほうがいいですね(笑)。

 

 

 (※本記事は、2015年4月1日発行のノビテクマガジンに掲載された記事を再構成しました。) 

 

 

 

 

 

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