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宇都出雅巳【第5回】これって本当に速読? – 速読勉強術のプロ まとめてグルグル10冊書評

宇都出 雅巳

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これって本当に速読?? 速読って何だろう。

でも、「これのどこが速読なんだ!」と思っている人がいるかもしれません。確かに、速読というと目を速く動かしたり、ページを素早くめくって目に焼き付けていくというようなイメージをお持ちの方も多いでしょうから、これが速読と聞いて拍子抜けされているかもしれませんが、これこそが速読です。

速読技術については、また解説していきたいとは思いますが、すでにご説明したようにそんなに重要な要素ではないからです。理解を伴う速読のためには、何よりも「ストック」、つまり、読み手の知識、経験、記憶が大事になってきます。この「ストック」に焦点を当てると、ここまで実演解説してきたように、目次、そして「はじめに」や「おわりに」を活用することが重要なのです。

【第5回】gurugurupoint1

☆「この本を読んだ」のライン

また、速読かどうか以前に、「これって本を読んでいることになるの?」「これで本を読んだといえるの?」という疑問が出ている方もいるでしょう。ここでぜひ考えてもらいたいのが、あなた自身、どういう時点で「この本を読んだ」と判断するのでしょう?

たとえば、『仕事が楽しくなる!25のルール』について、目次、はじめにと本文のほんの一部しか読んでいませんが、これとプロローグを読んでいる状態とで、どちらが「この本を読んだ」とより強く言えるのでしょう?

これは本を読む目的とも絡むので一概に言えませんが、あなたが「この本を読んだ」と実感することが目的なのか? ということも考えてみてください。

【第5回】gurugurupoint2

☆内容・構成のつかみ方

また、『仕事が楽しくなる!25のルール』の内容・構成に戻りますが、そろそろこの本については終えていかないと10冊全部の紹介にこのペースだと1年かかって「速読」どころじゃなくなりますね(笑)

それはともかく、より具体的な「ルール」を知るために本文を読んでいくわけですが、本文を読んでいくと、目次には出ていない小見出しが付いているので、もし本文をいきなり読むのがきつければ、とりあえず小見出しを読んでみましょう。

ここではPart3 仕事に使命感を持つための「5つのルール」のルール4 代表でいる 当事者意識があるから責任を感じられる を例に読んでいきます。本文に入るとこのルールは7ページにわたって解説されており、小見出しが4つ並んでいます。その小見出しを挙げると

今できる自分の役割は何かを考える
自分と関係のない仕事でクレームを受けた、そのときあなたはどうしますか?
「責任がある」からこそ、仕事はやりがいがある
仕事で起こっていることに、どしどし首を突っ込んでかかわっていくべき

これだけでもこのルールで言いたいことがぼんやりとうかんできますね。そして、この大きな構成をつかんでおくことで、本文は楽に読めるようになります。

【第5回】gurugurupoint3

速読のポイント

なお、本書は、25の「ルール」が著者の大林伸安さんご自身のエピソードを中心に具体的な事例を織り交ぜた形で解説されています。こういったビジネス書、ノウハウ本は、抽象度を高めた理論、指針、ルールとそれを具体的に表現する事例や物語、エピソードが組み合わさった形になっています。

その比率、割合はさまざまですが、こういった構造をとらえておいて、自分が興味を持ったり、読む気がするところから読むことも速読していくポイントになります。

理論が好きか? 物語が好きか?

いきなり抽象的な話をしても頭に入らないとき、具体的な事例や物語なら読みやすく、読む気がするかもしれません。逆に、具体的な事例や物語は長くなりやすく、読みにくいと感じる人にとっては、抽象的な理論やルールのほうが要点をつかみやすく読みやすいかもしれません。

これは人それぞれの好みにもよりますし、読む内容と自分がすでに持っているストックとの関係によっても変わってきます。大事なことは、前から順番に読むこと、理解することにこだわらないことです。

頭に入ってこないのに、読む気がしないのに、そこを無理してがんばって読んでもあまり意味がありません。それよりも、自分にとってわかりやすい、読む気がするところから読んでいくことが速読につながります。

そうやって、わかりやすい、読む気がするところを読むことで、その本に関するストックが増えていきます。そのストックが助けとなって、最初はわかりにくく、読む気もしなかった物語や理論説明が読めるようになる可能性が高くなります。このように私の速読法・高速大量回転法では、積極的に飛ばし読みを勧めています。

「速読って、結局飛ばし読みですか?」と早とちりされる方もおられるかもしれませんが、単なる飛ばし読みではありません。飛ばし読みしつつ、ストックを蓄え、飛ばしたところにまた戻って、蓄えたストックを活用して読んでいくからです。

逆に飛ばし読みせずに、ゆっくりじっくり理解しながら読むというのは、ストックという面から考えると非常に非効率な読み方であることがわかるでしょう。もっと武器、リソースがあれば簡単に読めるものを、いわば素手で立ち向かって読もうというようなものだからです。

速読はこれまでとは違う目や意識の使い方という「速読技術」の面もありますが、ストックを有効に使って読むという「ストック」の面が大きいことがよくわかってもらえたでしょう。

「読んで終わり」か? 「読んでからが始まり」か?

【第5回】gurugurupoint4

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