東北イノベーティブリーダープログラムとはなにか? ~変革の地、東北の場に学ぶとは~

大林 伸安

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【コラムジャンル】

2016年06月28日

なぜ東北でイノベーティブリーダーが育つのか? 『東北復興新聞』『ソーシャルトラベル(※)』などで活躍する本間勇輝さん×人材育成のプロフェッショナル大林が語る!

「面白いプログラムがある」と誘われ訪れた東北の地に、イノベーティブな人材育成のヒントを得た株式会社ノビテク社長・大林。この地にスポットをあてた研修を広く世にアピールしていこうと決意した理由とは。

『東北復興新聞』の発行や、現地での情報発信支援などを行うNPO法人『HUG』代表理事を務める本間勇輝さんと大林が、東北の“場の力”について熱く語ります。

 

※ソーシャルトラベル             

現地の社会に飛び込んで人と触れ合う中で、
“ちょっとイイこと”が生まれる旅の形。

 

 

本間勇輝 

IMG_9716富士通(株)入社後、2005年(株)ロケーションバリューの創業に携わる。

後に同社取締役COO就任、事業責任者として生み出した「おてつだいネット

ワークス」および「イマナラ!」はいずれもモバイルプロジェクトアワード

優秀賞を獲得。2009年同社退社後、妻と2年間世界中をまわる。

旅先で実施した社会貢献活動「ソーシャルトラベル」が話題になりTV、

雑誌にて取材、連載。2011年10月帰国の後、NPO法人HUGを創業。

 

NPO法人HUGとは?>>>

2011年設立。世の中を良くするために世界中で頑張っている人や団体を、
情報発信等のコミュニケーションの分野で手助けする中間支援組織。
素晴らしき人や取り組みをHUGが媒介となって世の中へ届けることで、
人と人が笑顔でつながり助け合う社会の創造を目指す。

 

 

 

 大林伸安

IMG_9750

人(ヒト)の成長を促し、組織の活性化を促進させる“やれる気請負人”。

英国国立ウェールズ大学大学院経営学修了(MBA)。

「仕事を楽しむ人材づくりと仕事を楽しくする会社づくり」をミッション

ステートメントとして、人材教育事業を展開。日本一の規模である研修

プロジェクトを講師側総責任者としてプロデュースし、完遂させた実績を

持つ研修のトータルプロデューサー。大手企業から中小企業の経営幹部

から新入社員や内定者まで、年間120回を超える研修や講演を行って

いる。

人材育成の現場を熟知しているからこそのメッセージを伝えることが

できる講師。

 

 

 

 

( 文>村上杏菜   写真>ノビテクマガジン編集部 )

 

“場の力”は、人に変化を促す

 

 

大林:

本間くんに「すごいプログラムがあるからとにかく来てほしい」と言われるまで、東北には行ったことがなかった。実際行ってみたら、テレビやニュースの報道で抱いていたイメージと目の前の現実とのギャップに驚きました。会う人会う人みんなが明るくて前向きで活動的で、エネルギッシュで。

 

本間:

「被災地」「被災者」という言葉で一括りにはできないんですよね。マスコミで報道されている面も真実ではありますが、全体の一部にすぎない。僕らはその一部だけを見て勝手に全体を想像してしまう。

僕のすすめたプログラムを実際受けてみて、どうでしたか?

 

大林:

岩手の『おらが大槌夢広場』のワークショップは、大槌という地を最大限に活用しているよね。研修講師として26年も経験を積むと、「この研修のゴールはあそこだな」「ここはこう答えるのが正解だな」なんて想像がつくようになってしまうんだけど、それが全く見えなかった。そこにある現実と圧倒的な“場の力”を前にして、自分の存在がちっぽけに感じるような、よい意味で「まいったな」という感じでした。

 

本間:

日常と違う空間、物、考えに触れることで人は新しい考えを得たり、変わったりする。それを可能にするのが“場の力”なんでしょうね。

 

大林:

その意味で、今回広めていこうとしている東北イノベーティブリーダー研修って“旅”と似ているなと思う。旅、というとソーシャルトラベラーである本間くんの得意分野だけど。

 

本間:

場はコンテクスト(文脈)を持っていると思うんですよね。その地域の歴史や文化などの目に見えない部分と、そこにいる“人”。目に見えないコンテクストを背負った“人”が、訪れる人にとっての学びや気付きの源泉じゃないかと。

 

大林:

組織もそう。それぞれの組織に歴史や風土があり、働いている人がいる。その風土の中に我々研修を提供する側が入っていっても、受講者は元の風土にずっといるわけだから影響が残りにくい。でも、その風土から受講者を取り出して、インパクトのある土地に連れて行けばどうだろう。“場の力”に触れた人間を元の風土に戻すと、組織や風土の改革に生きる“ゆらぎ”が起きるかもしれない。

 

本間:

場の強烈な力によって、価値観の“ゆらぎ”が引き起こされる。まさに旅と一緒ですね。旅の醍醐味であり、場を使った研修の価値もそこですよね。

 

 

 

東北の“場の力”はいかにして生まれたか

 

 

大林:

本間くんはNPOの活動で東北に深く関わってきたわけですが、ノビテクと一緒に東北研修を広めていこうと思ったのはどうして?

 

本間:

東日本大震災とそこからの復興という歴史的大事件が目の前で起こっている、それに引き寄せられて多くの人が東北を訪れています。たとえば元マッキンゼーや元外務省といったエリートがローカルベンチャーを起こしたり支援活動を行っている。新しいプレイヤーが地域に入り、様々な化学反応が起きているんです。

でも、まだどうしても“インディーズ”なんですよね。一部のボランティア好きな人やNPOの人たちが中心で、5年たった今も関わりを続けている人は限定的です。僕はそれを“メジャー”にしたいんです。東北の地で生まれた変革の種は見えたし、それはホンモノだと確信しています。本当の意味での変革にするためには、外に出なければと思って。

東北の場の力の価値をカタチにする上で、企業研修は親和性が高いと感じました。そんな時、大林さんの顔が浮かんで、もう、声をかけるのは大林さんしかいないと思いました。

 

大林:

思い出してくれてありがとう。

「育成」という確固たる目的を持つ私たちにとって東北の地が魅力的なのはイノベーションが起こる地、という点です。「こうやれば必ず答えが出る、成果が出る」というものが見えない時代に突入している今の時代、特に日本で求められているのはイノベーションを起こせる人材。自分の枠の外に出て、既成の価値観を取っ払って新しい価値を生み出せる人材になるにはどうしたらよいのか、どの企業でもこれは大きな課題になっています。

 

本間:

『東北復興新聞』などで多くの事例を取材してきましたが、イノベーションはダイバーシティから生まれると感じています。0から1を作るのもイノベーションですが、異なるものと異なるものが出会いその掛け合わせて1が1.5 になるのもイノベーションだとすれば、東北は今まさにそれが生まれ続けている場です。

東北には今までのビジネスで付き合ったことのないセクターの人がたくさんいる。町長と普通に話し合いもしますし、自治会長もいれば普通のおばちゃん、もちろんNPOの人、なぜか企業のCSR担当がみんな同じ会議の場いたりする。そんな異なったセクターの人たちが、たとえば「20年後のこの町のあり方」について議論しているんです。「これからは俺たちが新しいルールを作って、新しい豊かさを体現していくんだ」という力強い声も耳にしますね。

 

大林:

これから人口が減少していく社会において、世の中やマーケットに何が必要かという問いにまだ答えは出ていません。先に過疎化が進み、さらに東日本大震災の被害を受けた東北の地に、そのヒントがあるかもしれないね。

 

本間:

東日本大震災は、歴史です。そして外から多くの人が訪れ現地の人たちと交わったことで化学反応が起きている。こんなに短期間、しかも同時多発的にこうした変化が起きた地域は東北しかないと思います。これまで多くの地域を見てきましたが、イノベーションの密集度でいうと日本一でしょうね。みちのくの地から日本の未来が生まれるんじゃないかって、僕は本気でそう思っています。

 

 

 

 

 

松川浦漁港付近の津波被害の様子

震災直後、津波被害の様子

 

 

 

 

イノベーション人材はフレームワークでは育成できない

 

 

大林:

宮城県石巻市の『MORIUMIUS』(モリウミアス)のプログラムも、大槌の研修とはまた違った切り口ですよね。自然と接する中でサステナブルに生きる力を身につけるというテーマで、農漁業版キッザニアとして多くの子どもたちを呼び込んでいます。もちろん、私たちが紹介していくのは大人向けの研修ですが。

 

本間:

今年発表した新しい経営方針で“兼業解禁”して注目を集めたロート製薬株式会社さんが、実はモリウミアスの設立に深く携わっているんです。イノベーション人材の育成に関して良い事例だと思うのでご紹介したいのですが、東日本大震災の際に復興支援部隊を結成し、「薬屋であることを忘れて、とにかく現地の役に立ってくるように」と社員を派遣したそうです。

 

大林:

普通、「本業を生かせ」って言いそうなところですよね。

 

本間:

そうなんですよね。派遣された社員は地元の漁師と組んで6次産業化する会社を立ち上げたり、イスラム教徒向けの食品の開発をしたりとユニークな取り組みを行ったようです。そして今回、ダブルワーク推奨の制度を作ったのも、当時の東北復興支援室の室長だそうです。

 

大林:

会社の業務だけやっていてもイノベーションは起こらない、と。ロート製薬さんといえば、売上の6割を医薬品から化粧品にシフトさせるなど、変革の風土が根づいていそうですね。

 

本間:

何をしていいかわからないような場・環境に社員を置くことが何よりの人材育成だというのが会長の信念のようで。震災からずっと東北の地に携わってきて、社員たちの成長やイノベーションを見て、手応えがあったということなんだと僕は思っています。

ロート製薬さんほどの取り組みはなかなか真似できないとしても、そんな東北の地に触れるということは多くの企業にとって意味があると思いますよ。

 

大林:

研修って、本来会社のニーズありき。こういう戦略があるからこんな人材が必要で、こういうスキルと知識が必要だから、こんな教育を行いましょう、というストーリー。だけどイノベーティブ人材には決まりきった形がない。

 

本間:

イノベーションにフレームワークをあてはめたらおかしいですからね!(笑)

 

大林:

そう。だけど我々研修会社には往々にして慣れ親しんだフレームワークがある。そしてそこに限界があることにも気づいている。だからこそ今までのフレームワークを取っ払った東北イノベーティブリーダープログラム研修には、すごい可能性を感じますね。

 

本間:

もう一つ付け加えると、特に若い人たちにとってのソーシャルの価値というべきメリットもあると思いますよ。経済成長や利益といったものと別の軸を求めて、たとえば2枚目の名刺といった形でまちづくりや地域活動に自身の活躍の場を探しているを見ている人は多い。また、企業のボランティア活動に参加した社員の離職率は低いというデータもあります。東北研修のメインはもちろん“学び”ですが、もう一つの軸としてソーシャルの価値っていうものも、間違いなくあるのではないかと。

 

大林:

なるほど。ちなみに私にとって東北研修の価値の一つは、本間くん、あなたと組むことなんですよ。15年も前の教え子である君と今回のように同じ目標に向かうことができるのは、誇りでもあり、とっても楽しみです。

 

本間:

なんだか親孝行している気分ですね(笑)。

 

 

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東北イノベーションリーダーシッププログラム
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東北バナー(オフィシャルへリンク)

 

 

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