山下淳一郎【第4回】 顧客の価値は何か – ドラッカーに学ぶ成功への原理原則

山下淳一郎 ドラッカーに学ぶ成功への原理原則

ドラッカー5つの質問 第3の問い 顧客の価値は何か

「顧客にとっての価値は何か』は最も問うことの少ない問いである。答えは明らかだと思い込んでいるからである。品質が価値だという。この答えはほとんど間違いである。顧客は製品を買ってはいない。欲求の充足を買っている。彼らにとっての価値を買っている。」

こんにちは、トップマネジメントの山下淳一郎です。私は、ピーター・ドラッカー教授の理論をベースに様々な企業・団体の活動のお手伝いをさせていただいております。本コラムでは、ドラッカー教授の名言と日本企業を照らし合わせて、分かりやすくビジネスのヒントをお伝えできればと考えております。

お客様の新しい満足を生み出す

時代の先駆者「三越」の前身

創業約四〇〇年の歴史もつ、日本で初めての百貨店「三越」。その三越は、江戸時代一六七三年に三井高利と言う人が越後屋という呉服店を開業したのが始まりです。当時は、定価というものがなく、相手によって値段を高くしたり安くしたりする文化でした。

どんなお客様にも同じ金額で販売するというようにしたのが、越後屋です。その当時、着物は極めて高価な物で、今日の言葉で表現するところの富裕層しか手に入れられないものでした。それをお客様が望む分だけの生地として、はじめて販売したのが越後屋です。その販売手法が大ヒットしました。

ドラッカーはこう言っています。

ドラッカー肖像

「顧客にとっての価値は何か』は最も問うことの少ない問いである。答えは明らかだと思い込んでいるからである。品質が価値だという。この答えはほとんど間違いである。顧客は製品を買ってはいない。欲求の充足を買っている。彼らにとっての価値を買っている。」

こんなエピソードがあります。あるお客様が、店内のショップで長時間かけていろいろな洋服を試着されたそうです。結局、そのショップでは買わずに他のショップで購入されたそうです。ところが帰り際に、試着の時に対応していた女性の販売員と鉢合わせになりました。当然、お客様としてはばつが悪いと感じたことは言うまでもありません。しかし、その女性の販売員さんは、「いい物が見つかってよかったですね。また、いつでもお立ち寄りください。」と笑顔で語られたそうです。帰宅されたそのお客様から、「商品を買ったうれしさよりも、その店員さんの対応が非常に良く、有意義な時間を過ごさせて頂きました」また、立ち寄らせて頂きます。ありがとうございました」といった声を頂いたそうです。

「ただ単に”もの”を売っているわけではありません。販売という行為をとおして、お客様に喜んでもらっているのです。お客様の声を聞き、同時に、お客様の声なき声を聞くことによってわれわれは成長していくことができる、そう思っています」

そう語るのは、株式会社三越伊勢丹ホールディングスの代表取締役社長 石塚邦夫さんです。

二〇〇八年四月、三越は、伊勢丹と経営統合されました。伊勢丹が、多くのお客様対象として事業を展開してきたのに対して、三越は個々のお客様を尊重してきた歴史があります。そうした両社の強みを両社が活か合って、お客様の新しい満足を創り出そうと取り組まれています。

つい、私たちは仕事となると、「商品を売ること」、「利益を上げること」だけに関心が持っていかれてしまいがちです。あらゆる事業がお客様によって支えられているのが現実です。株式会社三越伊勢丹ホールディングスの石塚邦夫代表取締役社長は、”お客様あっての事業”という仕事の根幹を教えてくださっている気がします。

今日、お客様の新しい満足を生み出すために何ができるでしょうか?

【第4回】message

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