山下淳一郎【第3回】われわれの顧客は誰か – ドラッカーに学ぶ成功への原理原則

山下淳一郎 ドラッカーに学ぶ成功への原理原則

山下 淳一郎

「現実の顧客は誰か、潜在的な顧客は誰か、顧客はどこにいるのか、顧客はいかに買うか、顧客はいかに到達するか、を問うことである。」

こんにちは、トップマネジメントの山下淳一郎です。私は、ピーター・ドラッカー教授の理論をベースに様々な企業・団体の活動のお手伝いをさせていただいております。本コラムでは、ドラッカー教授の名言と日本企業を照らし合わせて、分かりやすくビジネスのヒントをお伝えできればと考えております。

われわれの顧客は誰か

こんにちは。山下です。

第2回にお伝えした「だから、わが社は発展した!」は、ドラッカー5つの質問「第1の問い われわれ使命は何か」であり、自分たちの事業は何かを明らにするということです。ありとあらゆる人にありとあらゆることを提供し、ありとあらゆる満足を提供できる会社はこの世にありません。

しかし、特定の人に特定のことを提供し、特定の満足を提供することは可能です。ここでいう、特定の人が対象とするお客様でのことで、特定のことが事業にあたります。

今回は、「第2の問い われわれの顧客は誰か」についてお伝えいたします。

「第2の問い われわれの顧客は誰か」は、対象となるお客様を明確にすることを教えてくれるものです。 対象となるお客様とは、わが社が心から喜んでもらいたいと思える方です。本当に役立ちたいと思えるお客様を対象にしなければ、事業の方向性を見失い、社会に変化に振り回されて事業は右往左往してしまいます。

また、この対象とするお客様を明らかにしないまま仕事を進めてしまえば、お客様と関係のないところで仕事を行ってしまうことになります。さらに、素晴らしいと信じ切れるサービスを創り出したとしても、その商品やサービスをいいと思って、使ってくれるお客様がいなければ、その商品、サービスは、単なる自己満足になってしまいます。では、どうすればいいいのでしょうか。

ドラッカーはこう言っています。「顧客は誰か」という問いを発することである。

「現実の顧客は誰か、潜在的な顧客は誰か、顧客はどこにいるのか、顧客はいかに買うか、顧客はいかに到達するか、を問うことである。」

ソニーの日本初のテープレコーダー

ソニーは、1950年に日本初のテープレコーダーを発表しました。重さは35キロ、価格は17万円でした。当時の大学の初任給が1万円程度ですからかなりの高額品です。

ソニーの創業者の一人である盛田昭夫さんは、当時テープレコーダーを売るため、あちらこちらへデモに奔走したそうです。友人知人の声をその場で録音しては、録音したその事をその場で聞かせていきました。生まれて初めて目にする機械から聞こえてくる自分の声に、多くの人が驚き、多くの人が気に入ってくれました。

ところが、気に入っているにも関わらず買ってくれる人は誰一人としていませんでした。誰もがみんな口を揃えて「おもちゃにしては高すぎるよ」という声でした。どんなにテープレコーダーの良さを説明しても一台も売れませんでした。戦後間もない当時の日本は、専門分野の教育に遅れをとっていました。遅れの一つは「速記」でした。裁判所では速記の人手が足りず、速記の方はみんな過重労働に苦しんでいました。

盛田昭夫さんはテープレコーダーを売り込むために、裁判所に訪問しました。まったく売れなかったテープレコーダーが一瞬にして20台売れました。裁判所にとってテープレコーダーは「おもちゃ」ではなく、「仕事の効率を高めてくれる貴重なもの」でした。

どんないい性能であっても、どんなにいい製品であっても、お客様が価値ありと認めなければお客様に必要性を感じてもらうことはできません。自分たちの商品、サービスを必要とするお客様はどんなお客様なのか。そのお客様はいったい何処にいるのか。そのお客様が望んでいるものは何か。日本を発展させてきた名経営者は、そんな問いについて考え抜く重要性を教えてくれています。

何から何まですべての決定権を持っているのはお客様です。決定権とは、物事において自分で決められるその範囲のことです。対象とするお客様をはっきりさせればさせるほど事業の成功確率が高まります。対象とするお客様をはっきりさせれば何をやるべきで、何をやるべきでないのか、何をどのように行うべきかが、それらがいやがおうにもが浮き彫りになるからです。

お客様は日々刻々と変化していきます。ゆえに、事業は常にお客様を中心に考え、お客様を中心に進めていくようにしなければなりません。誰のための事業なのか?お客様のための事業だからです。

【第3回】Message

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