【第4回】整形靴の職人を目指し日々ドイツで奮闘している林沙織さんの場合② – ドイツで育むグローバル人材!~アメリカ・イギリスでもない環境を選ぶ日本人~

ドイツで育むグローバル人材!~アメリカ・イギリスでもない環境を選ぶ日本人~

株式会社ダヴィンチインターナショナル

整形靴のゲゼレ(職人)を目指し日々ドイツで奮闘している林沙織さんにドイツでの活動をお話しいただきました後編です。

グローバル人材育成の必要性が叫ばれる昨今、たくさんの書籍・雑誌が出版され、多くの研修・セミナー・講演会が開催されています。
ご多忙にもれず、このコラムもグローバル人材をテーマにしたものですが、イギリス、スイスでもない、米国のバーバードビジネススクールでもなく、世界各国が注目をしているドイツの教育制度を通して、実際にドイツで “ゲゼレ” “マイスター” を目指している日本人の活動をお伝えしながら、グローバルな視点に立った人材育成・教育についてお伝えできればと考えおります。

整形靴のゲゼレを目指し日々ドイツで奮闘している林沙織さんの場合②(渡独2年目 職種:整形靴)

Q:マイスター、ゲセレは、社会的にどういう立場で認知されているのですか?

A:整形靴の分野でいえば、プロとしての国家資格として認められるので、お客様も「お医者さんと一緒に自分の足と靴の事を考えてくれるプロ」だと思っています。ドイツではある程度の規模の街であれば整形靴のお店があり、子どもからお年寄りまでお医者さんで診断書をもらい、整形靴やアインラーゲン(靴の中に入れる中敷)をあつらえるのが当たり前なのです。

Q:まさに、靴のお医者さんですね?

A:整形靴やアインラーゲン(靴の中に入れる中敷)を作るのに対して個人への保険が効くのも驚きです。実際、お店でどんなサービスがつけられるかをお伝えすると、整形靴のお店には、フースプフレーゲンと呼ばれるフットケアを施すプロが勤務しています。整形靴のお店では、足全般の健康面を診てもらえる快適さがあるのです。実際にお店には足を測定するなどの様々な機械がたくさんあります。

フットケアに関してお客様は大体1〜3か月に1回の割合で予約を取られ、フースプフレーゲン(フットケアを施すプロ)が、足の爪を切る/固くなった皮膚を削る(魚の目の部分など)/巻き爪のケアなど、その人にあったケアをおこない、最後に足をマッサージして、30〜60分位で終わります。医療的なケアと、美容的なケアの中間位のポジションなのかなと思います。お客様の座るリクライニングチェアや、爪や皮膚を削ったり研磨する機器などはどことなく、歯医者さんを彷彿とさせます。

ドイツは一般的に人の健康に関わることに対して、非常に優しいという印象を受けます。
例えば医療であっても初めから治療費が高い病院にかかるのではなく、ちょっとした風邪や腹痛、口内炎などの場合、たいていは薬剤師さんが処方してくれる薬局の薬で事足りてしまうことが多いです。あえて副作用が少ない子供用の薬を大人に処方してくれる場合もあったり、症状が軽い場合は薬局にかかる前に効能別のハーブティーで治してしまうこともあるくらいです。

このように、人の健康にまつわるケアに関わるプロが、本当に患者のために考えたサービスを提供していると感じることができるのです。

整形靴のお店は足の健康に関するプロが、靴やフットケアを含めたトータルのケアをしてくれるところなのですね、日本にあったら流行りそうですね。

Q:日本とドイツでは、靴に対する考え方が違うと思います。ドイツではハイヒールの女性をほとんど見かけないですよね?

A:ドイツ人の女性は、職業にもよりますがあまりハイヒールを履きません。ひとつには背が高く足も長いためあまりハイヒールを履く必要性もないのかもしれませんね。

Q:ドイツで学ばれている整形靴の知識や技術は、日本人がまだ得られていないサービスであったり巡り会っていないような靴であったりすると思いますが、ドイツの知識や技術の習得によって、既成靴では歩くのが困難な方や靴に悩みがある方にとって、良いサービスが提供出来ると思われますか?

A:フルオーダーの整形靴が、既成靴では歩くのが困難な方にとって助けになるのはもちろんだと思いますが、それ以外に手持ちの既成靴に手を加えてその人の足にあわせていく、サービスシュッツツーリヒトゥンク(Schuhzurichtung)は、例えば、靴底に切れ目をいれて靴幅を広げたり、部分的に靴底の高さをかえてスムーズに歩けるようにしたりします。また、中敷を作成するアインラーゲン(Einlagen)も良いサービスとなるのではないかと思います。

高齢化が進む日本においてこのようなサービスは足の問題を解決し、より快適に過ごしていくためには、大変なニーズがあるサービスになりそう。これから日本にも広がってくれるといいなと感じます。

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Q:林さんは、休日はどう過ごされているのですか?

A:ライン川沿いを散歩したりジョギングしたりしています。
時々、仲良くしていただいている職場の同僚とコンサートを聴きに行ったりもしました。土曜日にはファーマーズマーケットがあるのでそこで野菜を買うのも楽しいです。つい最近合唱団に入ったので、時々地元の方々と一緒に歌って楽しんでいます。学校のあるシュトゥットガルトの街を散歩したり、美術館やクラスメイトとお寿司を食べに行ったりもしています。
2月にはファッシング(※)という祭りを楽しむことができます。今年も行ってきました。お菓子以外にもパンやワインやブルストまで見物客に振る舞われていて、ドイツっぽいなあと思いました。

(※ファッシング)
キリストの復活祭前の節食期間に備えてお祭り騒ぎをするカーニバル。南ドイツではこれを「ファッシング」と呼ぶ。ファッシングツークというパレードが行われ、仮装したグループが歌やダンスを交え練り歩く。

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 (5月にあったお祭り) 

Q:改めて、ドイツに来てよかった点を教えてください

A:日本以外の国で働き、生活する経験が出来ていること。自分の弱さやだめなところに直面し悩むことも多いですが、だからこそ少しはたくましくなれたかなと思っています。家族、日本とドイツの友人や、職場の同僚の皆さん、周りの人達とのつながりが自分にとってどれだけ大切かに気付いたことだと思います。

Q:逆にドイツに来て残念な点はありますか?

A:不便な点は、言葉がままならないために、様々な手続きがめんどうだったり日本のようには親切でない、ドイツのサービス業の対応に怒りたくなることが時々あります。確かにドイツではサービス提供者とサービスを享受する者が互いに対等。そのため、日本では考えられないようなサービスの提供の仕方を垣間みることも少なくありません。こういう時には、日本の良さを改めて感じたり、あるいは逆に日本はお客様が場合によっては横柄になりすぎている部分もあるなど、様々なことを感じる良いきっかけになるともいえますね。

やはり外国で一人で生活する経験を積まれている方の多くは口を揃えて「自分自身がたくましくなった。」ということをおっしゃいます。まして林さんのように留学といった一方的に学ぶだけではなく現地でドイツ語で仕事に従事するということはかなりの集中力やコミュニケーション力、メンタリティが強化されることが想像できます。本物のグローバルな実力をつけていくうえでの近道ともいえそうですね。林さんはもの静かな方ですがとても芯が強く情熱を持っています。ドイツで頑張る林さんを訪問した際、林さんの勤務ぶりの誠実さや仕事ぶりについてマイスターさんが何度も褒めていたのがとても印象的でした。

Q:今のご経験を、今後どのように活かしていきたいと思いますか?

A:今まさに今後どうしようか考えているところです。ドイツにもう少し残って、研修生ではなくゲゼレとしての経験をつめたらいいのかとは感じています。ただ、一人での海外生活に不安を感じる事もあるので、仕事以外の自分の人生をどうしたいのかも視野に入れた方がいいかなと思ったり、、、もうしばらく考えます!いずれにせよ、この3年半の期間で学んでいる技術や経験をなんらかの形で生かして、人に喜んでもらえる仕事をしていきたいです。そしてせっかくドイツ語を学んでいるのでこちらも生かす機会があればなお良いなと思っています。今後、もしドイツを離れることになってもドイツ語を使う機会があるといいなと思っています。

林さんには今学んでいらっしゃる技術や知識そして考え方を是非、活かして、より多くの方に喜ばれるお仕事をしてほしいです。単身でドイツに渡り仕事をしながらドイツの国家資格を目指す林さん、知識力はもちろんのことメンタルもタフになり力をつけている林さんをこれからも応援していきたいと思います。

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 (ライン川沿いの散歩道・クリスマスマーケット)

次回もどうぞお楽しみに~♪

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