【鶴岡和彦】ちょっと言わせて!鶴の一声~コンサルティングの現場から~

鶴岡 和彦

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2017年08月07日

モチベーション・やる気についての個人的考察

「社員のモチベーションを高めてほしい」
「やる気にしてほしい」
「前向きにしてほしい」

表現の違いはあるが、多くの企業からよく聞く話である。また、何か事業や組織の状態が上手くいっていないと

「全体としてのモチベーションが下がっている」
「仕事に対する姿勢が前向きになっていない」

といったこともよく聞かれる。決して間違ってはないが若干の疑問を感じる。そもそも

「モチベーションが高くなった状態とは、どのような状態なのか」
「やる気がある、前向きであるとは何を以って判断するのか」

そのあたりをないがしろにして、「モチベーション・やる気・前向き」といった言葉を都合よく使いすぎていないだろうか。

A君、B君の例

例えば、A君は「見た目にはやる気を非常に感じられるが、実際の仕事ではミスが多い」
逆に、B君は「見た目にはやる気を感じられないが、実際の仕事では迅速かつ正確である」

このようなケースの場合、

A君は「モチベーションが高く前向き」
B君は「モチベーション低く後ろ向き」

と判断するのか。

そうだとしたらまずは気持ちが大切ということで、仕事そのもののクオリティーはモチベーションとは別物として扱うということになる。そのような考え方で実際に仕事をする現場は問題ないのだろうか。

一方、滅多にあることではないが「B君をモチベーションが高く前向きと判定する」とした場合、結局モチベーションは仕事のクオリティーということになってしまう。それともこのようなケースの場合、A君・B君共にモチベーションが高く前向きと捉えるのか。だとしたら、モチベーションが低く後ろ向きとは「見た目にもやる気が感じられず、業務クオリティーも低い」ということになってしまう。

気持ちなのか仕事なのか

これらのことは「気持ちなのか仕事なのか」をどのように考えるかにつながる(もちろん、「気持ちも仕事も共に良好」というのが最良であることは間違いない)。ただ、いずれにしても、仕事をしているのが人間である以上、この気持ちの部分が常に同じ状態ということはありえないのではないか。

つまり、そもそも「いつどこでも気力が充実し、やる気で前向き」ということ自体がありえないと考える方が適切であると感じるし、仮にそうだとしたら、どこか無理をしていると考えざるを得ない。

そのことを考慮した場合、「いわゆるモチベーションうんぬんを論じる」ことより、「どのような状況であってもやるべきことをきちんとやる」といったことの方が本来的には重要であるといえるし、それを求めるべきではないだろうか。

とは言っても、現実的にはモチベーションの向上はマネジメントにおいては非常に重要なテーマであることは間違いないし、それを望んでいる企業も多い。では、改めて「モチベーションの向上」について、どのようなアプローチをすべきであるか。

モチベーション向上についてのアプローチ

まず大切なことは

「モチベーションが低い、やる気がない」と判断している側が何を以って判断しているかを明確にすべきである

といえる。そして、

その判断基準となっている要素が、個人の表面的な特徴や性格と照らしてどうなのかを考える

ことである。

ここを明確にしないまま「モチベーションの向上」を叫んでも、個々人にとっての方策が具体的にならないばかりか、行き過ぎると人格否定やそれに伴う人格改造を求めてしまうことになる。

次に、「モチベーションが低い状態となっている」原因を明確にすることが必要といえるであろう(実際はここが最も難しいのだが・・・)。

モチベーションが低い状態となっている」原因を明確にする

個々の原因は千差万別といえるが、大きくは、

「①職場の人間関係(とくに上司との関係)部分」
「②仕事の成果部分(能力を含む)」
「③家庭を含む個人属性環境部分」

に分けられる。いずれにしても、要は、モチベーションが低いと判定した「要素(具体的な現象)」について、何が原因でそのような状態になっているかを明確にすることである。そうすれば、極めて具体的な対策が講じられるはずである。(なお、③については直接的な対策を講じることがほとんどできないといえるので、組織としての支援を充実させることが基本となろう)。

ただ、ここで注意すべき点は、人間関係においては、それぞれが他者を全面的に「好きになる」必要はないということである。多くの場合、人間関係が崩れたとき「良いところを見つめて好感を持とう」といったことが言われるが、これは言うほど簡単なことではなく、無理をすればこれ自体が大きなストレスになり得るし、そのことによって自分を追いつめてしまいかねない(結果として本人の精神面に不調が現れる、人間関係がさらに悪化するといったことが起こる)。

人間である以上、「合う合わない」「気に入る気に入らない」は必ず出てくるものだし、それ自体は仕方のないことで、無理に変えることはないと思う。それよりも、「相手の仕事のスタイルやタイプ」を認識し、自分との不一致については「単にスタイル・対応の違いがある」として処理する方が適切であろう(もちろん本当の意味での濃密な人間関係は築けないかもしれないが、そもそもそのような人間関係を築ける相手の方が少ないはずである)。

このことは特に上司側に必要な覚悟である。

「モチベーションの向上」は「仕事」ベースに

ここでの考え方は、すべてが正しいとはいえないかもしれないが、少なくとも「モチベーション向上」に関して、その具体的な要素や原因等を明確にしないまま、外部から「カウンセラーなりコーチなり」を招聘(しょうへい)して取り組んでも、

「上司と部下の軋轢(あつれき)の拡大(部下側のカウンセラー等に対する依存心が高まるため)」
「上司側とカウンセラー等との軋轢の拡大(上司側としての立場が保てなくなるため)」

等が発生し、その場では上手くいったように見えて(いかにもモチベーションが上がったように見えて)、根本的な解決には決してならないだろう。

したがって、「モチベーションの向上」については、あまり「気持ちの部分」に比重をかけずに、あくまでも「仕事」をベースに

「やるべき仕事の目的と内容の明確化」
「その仕事を遂行する上での必要な能力・技能の明確化」
「能力・技能の本人の現在地の明確化」
「現在地からの脱却・成長のための具体的手段の明確化」
「上司としての具体的な支援方法の明確化」

等を行い、「仕事の中での成果出し」を中心軸とすべきであろう。

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